本紙が、警備業などの「ユニテックス」(大阪市浪速区)、不動産業の「ゼフィア」(大阪市淀川区)等の代表を務める中務稔也氏(右下写真。73)が、お寺側を騙して、1000年以上の歴史を誇る「正圓寺」(大阪市阿倍野区)の不動産(3000坪以上)を乗っ取った疑惑があると報じたところ、中務氏は事実無根だとして、これまでに仮処分、本訴含め7件も提訴して来た。
これら訴訟はすでに丸2年が経過している。
零細メディアの本紙にとっては、経済的にも、訴訟に費やす時間も大変な負担だ。
だが、本紙としては犯罪に当たるような方法で歴史あるお寺を乗っ取った疑惑なのだから公共性・公益性はあるし、記事の裏づけにも自信を持っているので、徹底して争って来た。
そして、この一連の訴訟のなかで、中務氏が6つの記事の削除を求めて本訴していた最も重要な訴訟の判決が3月4日にあり、本紙側が勝訴したのは既報の通り。
以下、判決文から、東京地裁(武部知子裁判長)が認定した部分を抜粋する。
この判決は予想以上、本紙の主張を100%認めたものだった。
判決は、乗っ取り疑惑は疑惑ではなく、「真実であると認められる」とした。
その他、お寺側が乗っ取りに抗議すると共にお寺から出て行かないと、中務氏はお寺に大勢の社員を連れて押し入って脅したり、中務氏が代表のユニテックスは警備業をしていて警察と親しいのでお寺側の者を逮捕しようと働きかけたり(その後、実際に逮捕に)、ダミー会社に対し競売してお寺に住む住職らを強制執行で追い出そうとしたことも認定した。そもそも、中務氏は仮処分でも本紙に敗訴しているし、自身がその犯罪性を一番わかっているはず。にも拘わらず本紙を7度も提訴。
まさにスラップ訴訟(嫌がらせ訴訟)の最たるもの。恥を知れといいたい。
それでも世間体から中務氏は控訴するだろう。
その場合、そんな中務氏の代理人をカネをもらえれば何でもいいと引き受ける弁護士事務所、警察や検察OBとの癒着なども、今後、徹底して追及して行くことをここに警告しておく。
以下は、判決文の6つの記事の真実性についての認定事実の各結論箇所。ただし、お寺乗っ取りの有無は最重要なので結論以外の箇所も紹介(*記載は、読者の理解を促すため、原告を中務氏に代えたり、一部要約、または平易に表現にまとめている部分もある)。
ア)原告(中務氏)が正圓寺の財産を奪い取ったか?
中務氏の部下でゼフィア専務の三野康行は、お寺側に対し、お寺の不動産所有権をゼフィア側に移す際、住職側の「また寺に戻すということですね」との問いに肯定した。これは正圓寺が境内に特別養護老人ホームを建設しようとして資金難になり建設会社から差押えを受けるのを防ぐためだったと認められる。そうすると、中務氏がお寺の業務に支障を生じる行動を取ったり、ゼフィアが所有したお寺不動産を売却することはおかしいが、ゼフィアはダミーのミングルセンターに売却したり、正圓寺につき破産手続開始の申し立てをしたり、ユニテックスが競売申立てしたりしたが、これはお寺側との「合意書」でのお寺再建の目的にも反する行動である。 中務氏は本人尋問で、ミングルセンターへ転売した理由として、「ミングルセンターに売ってくれと言われたので売った」などと述べるが、「理解困難な説明であるというほかない」。
以上によれば、中務氏が正圓寺の財産を奪い取ったことについては真実であると認められる。
イ)お寺住職が中務氏らを詐欺で告訴し受理になったか?
住職が、中務を含む関係者(前出・三野。古西経治氏)がお寺不動産を騙し取ったという詐欺の事実で中務氏らを告訴し、これが受理されたことは真実であると認められる。
ウ)お寺への中務氏らの押し入り等の点
中務氏が、お寺境内から住職を立ち退かせるため、お寺の住職宅に強引に入り込んだり、住職にお寺から出て行くよう長時間迫ったり、お寺に入り込んで脅したり、お寺の業務を妨害したことについては真実であると認められる。
エ)警察との人間関係利用の点
中務氏が、住職を逮捕してもらうべく、住職側を告訴してこれが受理された点に関し、警察OBとの関係を利用したことについては、その重要な部分について真実であると認められる。
オ)原告が関連会社を利用してお寺不動産を取得したか?
ユニテックスがお寺の敷地の現所有者ミングルセンターに債権があるとして競売申立をしたが、その落札者はユニテックスの会長であった善意の第三者を装った中務氏であり、また、ミングルセンターは中務氏のダミーであるということについては真実であると認められる。
以上からすれば、本紙の6つの記事は、いずれも、公共の利害に関する事実につき、専ら公益を図る目的で掲載されたものであり、かつ、本件各記事において適示された事実が真実である、又は重要な部分について真実であると認められるので、人格権侵害の違法性がなく、本件削除請求は認められないことになる。
(結論)
よって、中務氏の請求はいずれも理由がないから、これらを棄却することとして、主文(①原告の請求はいずれも棄却する。②訴訟費用は原告の負担とする)のとおり判決する。
なお、中務氏が削除請求していたのは以下の6つの記事。
①『週刊新潮』が2週連続で報じた、「ナニワの名刹」乗っ取り事件屋の正体(2021.4.27)
②『週刊新潮』も報じた「ナニワの名刹」乗っ取り側、秘宝・秘仏も転売(2021.5.11)
③「正圓寺」乗っ取り事件――ついに実力行使へ(2021.5.25)
④「正圓寺」乗っ取り事件――ついに実力行使へ(2)(2021.6.04)
⑤「正圓寺」乗っ取り事件――競売は成立するか? 誰が?(2022.10.21)
⑥<ミニ情報>「正圓寺」乗っ取り事件――競売が成立。落札したのは意外な人物(2022.10.29)
それから、以下に、この判決文の「本件各記事の真実性について」以下の判決文を見れるようにしておく。
関心のある方は是非、ご覧いただき、本紙の上記記載がまったく誇大になっていないことを確認いただきたい。