アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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『週刊新潮』も報じた「ナニワの名刹」乗っ取り側、秘宝・秘仏も転売

 本紙がいち早く報じ、今年4月に『週刊新潮』が2週連続で報じた、地元では「天下茶屋の聖天さん」と呼ばれている「正圓寺」(大阪市阿倍野区)の乗っ取り事件だが、乗っ取られたのは約3000坪のお寺の不動産だけではない。開基939年のこのお寺の秘宝・秘仏もすでに転売されてしまっている。
とはいえ、辻見覚彦住職の刑事告訴(詐欺容疑)が今年2月24日、受理されたことから、乗っ取り側も強制的に追い出すまでに至っておらず、住職は今もお寺に住んでいる。とはいえ、転売先からは金銭価値のない「墓石を撤去し立ち退け」との「通知書」が来ており予断を許さない状況なのだ。
「幸い、仏画14点、仏像15点は大阪市教育員会文化財保護課の方で預かっていただいていたので、善意を名乗る転売先には渡っていません。ですが、歴史的文化的価値があるから文化財保護条例により保護されているわけで、その売却に当たっては大阪市教育委員会の許可がいるのですがそれも無視。まったくモラルも倫理観もなく、教育委員会も憤慨していましたよ」(お寺関係者)
なお、新潮の2回目記事(4月15日号)では、乗っ取り側のスポンサーの「今西組(*アクセス編集部注。お寺の敷地に介護施設を建てようとして、資金不足で建設を頼んだ今西組に不動産を差押えされそうに。それで頼ったのが乗っ取り側。差押え逃れのため、かたちだけ所有権移転をと騙されたという)の債権を買い取ったり、担保を外したりするのに10億円以上を注ぎ込みました」といった言い分が載っているが、正圓寺も辻見住職も一円も受け取っていないという。

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