本紙の大阪のお寺「正圓寺」乗っ取り疑惑報道を巡り、その主犯ではないかと報じた中務稔也氏(「ユニテックス」「ゼフィア」代表)に、本紙はこれまでに5件訴訟提起されている。
報じた記事など削除せよとの仮処分が3件、本訴が2件。
仮処分は①本紙記事6本、②本紙の別の記事2本、それに➂本紙YouTube版の関連動画1本(*ココをクリックすれば観れます。無料)。すでに仮処分の①②の2件は終わっている。①については記事6本すべて削除しなくていいとして本紙の全面勝訴。中務氏にお寺乗っ取り疑惑があると報じたことは、少なくとも真実相当性があると裁判所は決定を出したのだ。
本訴の2本というのは、④仮処分①の決定を不服として中務氏が本訴したもの。もう1本⑤は、仮処分②と同じ記事についての損害賠償請求訴訟。ただし、この②も、当初、中務氏は全面削除を申し立てたが、裁判所の求めに応じてわずか数行の入札に関する部分の削除だけに変更しており、本紙は実質、こちらも勝訴したに等しいと思っている。
こうしたなか、2月21日午後3時から仮処分➂の2回目の審尋があった。
この仮処分、YouTubeで本紙が指摘していることは事実でなく、名誉毀損に当たるとしてむろん全面削除を求めているのだが、裁判官は、中務氏が名誉毀損とする個所は「事実摘示」ではなく、「意見論評」である可能性が十分あるとして、中務氏側に意見・論評の前提としているどこが真実でないのか指摘するように求め、中務氏側はそれに従った。
この意味はひじょうに大きい。なぜなら、後述するように、「意見論評」と見做されれば、本紙側が圧倒的に有利になるからだ。
こうして見て来ると、残りの本訴2件も、前述のように本紙が仮処分で全面勝訴の①、実質勝訴の②の記事に関するものだから少なくとも本紙がボロ負けする要素はない。
だが、それは当然といえば当然のことだ。
中務氏が、すでにお寺の土地乗っ取りで逮捕・起訴されている南野潤二、西村浩両被告と裏でつるんでいたとした思えない証拠が多々ある上、お寺側が売却していない、したがって売却代金ももらっていないといっているのに、現状、3000坪以上あるお寺敷地の所有権が中務氏個人と、中務氏の愛人とも思える女性が代表を務める会社に移っている。しかも、その一部土地はお寺の土地乗っ取りですでに逮捕・起訴されている南野被告が以前、西村被告が現在代表を務める「エクシオコーポレーション」なる会社経由で手に入れているのだ。さらにいえば、中務氏は自分も南野・西村氏に騙されたとして彼らとの問題を解決し、お寺再建に協力するとの「合意書」をお寺側と交らす一方、自分がお寺敷地一部を第三者(?)に売却した理由を説明できてもいない。お寺敷地を売ることはお寺再建を困難にすることはいうまでもない。
中務氏は実業家といっている手前、本紙記事は虚偽と主張しないと体面も保てないから提訴しているのだろうが、証拠上からも疑惑は濃厚で、裁判で負け続ければ逆に自分が怪しいことを世間にアピールする結果に。むろん、報道妨害でもあり、この場を借りて、いい加減にしろと言っておく。