大阪府警が10月25日、「正圓寺」(大阪市阿倍野区)の土地を巡る虚偽登記事件で、元住職の辻見覚彦容疑者(56)ら3人を電磁的公正証書証書原本不実記録・同供用容疑で再逮捕したのは本紙でも既報の取り(冒頭左写真=「読売」10月25日夕刊)。
そこでも報じたように、本紙はこの事件の核心は正圓寺の不動産乗っ取りで、虚偽登記はお寺乗っ取りのために使った手段に過ぎず、また、すでに元住職と共に、事件屋といっていい南野潤二・西村浩両容疑者が捕まっているが、黒幕は「ゼフィア」「ユニテックス」などを経営する中務稔也氏(冒頭右写真)と見ている。
そして、その報道のために提訴され、現在、中務氏個人と係争中だが、その疑惑を報じた一部の記事につき中務氏は記事削除の仮処分申し立てをしたものの、大阪地裁は真実相当性があるとして削除を認めなかった。
こうしたなか、本紙は、前出の南野・西村両容疑者と中務氏が裏でつるんでいるとしか思えない事実と、その物証を掴んだので報じる。
すでに本紙は、両者がつるんでいるとしか思えない証拠として、例えば、「プロクスパ―トナーズ」なる会社の以前の代表に、今回、逮捕された南野容疑者が就いていた事実を指摘している(右下写真)。
なぜなら、今回、中務氏がお寺に関わることになったのは、このプロクスパートナーズの現代表で、今回も含め長年中務氏とパートナーの関係にあるのが古西経治氏だから。
中務氏自身、今回の事件に関する陳述書のなかで、お寺と関係を持つようになったのは古西氏に南野容疑者、住職(当時)を紹介され、競売逃れの相談に乗ったと言っている。だから、形だけの所有権移転だと分かっているはずで、それなのに、その後、お寺の所有権がすべて中務氏が代表のゼフィアに移り、さらに転売しており、転売する理由さえ本紙との仮処分事件でも説明できていないからだ。
もっとも、中務氏は南野容疑者と、自分がパートナーの古西氏が同じ会社の前・現代表だからといって、それがどうしたと開き直っている。確かに、あくまで人脈から来る間接的な関係に過ぎないと言われればそうとも言えなくない。
だが、本紙は中務氏と南野・西村両容疑者が繋がっていたことを示す証拠を掴んだ。
それは、南野容疑者が前代表、西村容疑者が現代表で、今回のお寺の所有不動産移転の虚偽登記の相手先の「エクシオコーポレーション」(東京都北区)に関することだ。