本紙が「正圓寺」(大阪市阿倍野区)につき、「乗っ取り疑惑がある」と報じたところ、事実無根だとして中務稔也氏(右下写真。「ユニテックス」「ゼフィア」代表)に記事削除の仮処分申立をされた件だが、5月11日、中務氏側がようやく「第3主張書面」を出して来た。
4月21日、大阪地裁で3度目の審尋があったが、その際に提出した中務氏側の「第2準備書面」では、本紙側は提出済の書面に記した、中務氏が乗っ取りに関与していると思わざるを得ない事実に対する反論がまったくされていなかった。
そのため、中司氏側は裁判官から、5月14日までに、出来るだけ本紙の中務氏が乗っ取りに関与していると思わざるを得ない事実に対し、反論の書面を出すようにといわれていた。要するに、「第3主張書面」=その「反論書」なのだ。
ところが、出されたその第3主張書面、9頁のものだが、その反論が書かれている部分は2頁もなく、しかもその内容は反論などと呼べない、本紙からすれば意味不明のものだった。
その反論部分と、本紙の中務氏も乗っ取り側の一人と見る記載部分を以下に転載するが、本紙が反論になっていないと主張する最も分かりやすい内容を先に述べておく。
この乗っ取り疑惑、正圓寺の住職が3000坪以上あるお寺のなかの遊休地に特別養護老人ホームを建てようとしたものの、資金繰りに窮し、工事費を支払えなくなり、そこに事件屋が介入、さらに建設会社に仮差押えされ、住職が中務氏に助けを求めたことに端を発する。
仮押さえを逃れるため、お寺の所有権は中務氏が代表の「ゼフィア」へ。
その後、お寺側と中務氏との間で、中務氏は経営支援し、お寺の再建に協力するとの「合意書」(横写真)が交らわされていた。
ところが、その後、中務氏はお寺の不動産を第3者に転売。これでは、お寺の再建が出来るわけがないではないか。本紙はこの転売先は、善意の第3者を装った中務氏の仲間で、そうすることによってお寺への所有権返還を難しくするもので、中務氏も、最初に出て来た事件屋とつるんでいると見て、その根拠も上げていた。
しかも、お寺側が転売の動きを察し、不動産の所有権をお寺側に戻すように中務氏に言って2日後に所有権は変わっていた。
ところが、驚いたことに、5月11日の反論では、なぜ、転売したのか(それも善意の第3者と中務氏は主張するのだから、マンション建設などのためにお寺建物を撤去されたら再建は完全にアウトだ)、その理由は一切いわず、「それぞれの会社が独立した存在として、不動産取引を行っただけであり、不動産購入の動機は様々なのである」と記しているだけだ。
こんな主張で反論になるのか? また、「合意書」に違反しない正当な理由だと誰が納得できるだろうか?
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