アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「お寺乗っ取り疑惑」――裁判所が中務氏に本堂など引渡命令

 本紙が「乗っ取り疑惑がある」と報じたところ、事実無根だとして中務稔也氏(右下写真。「ユニテックス」「ゼフィア」代表)に記事削除の仮処分申立をされ審尋中のお寺「正圓寺」(大阪市阿倍野区)だが、何と大阪地裁は4月24日、所有権移転は違法だとしてお寺を占有している住職、総代に対し、お寺の主要部分である本堂、居住建物などを中務氏に明け渡すように命じた。
このお寺乗っ取り疑惑、本紙では何度も報じているように、住職らの「乗っ取られた!」との告訴が受理になり現在、大阪府警により捜査中だ。にも拘らず、なぜ、明け渡しを認めたのか!?
今回、明け渡しが認められたのは3000坪以上ある境内の約3分の1。とはいえ、本堂、住職らが居住する建物などがある主要部分。
その部分は不動産謄本によれば、正圓寺から2020年11月、「売買」を原因に中務氏が代表を務める「ゼフィア」(大阪市淀川区)に。さらに、翌21年2月、やはり「売買」を原因に「ミングルセンター」(ゼフィアと同住所)に移転している。
ところが、中務氏が代表を務める別会社「ユニテックス」(大阪市浪速区)がミングルセンターに1億2500万円貸していて、その返済が滞ったとしてユニテックスは競売申立。それが認められ、中務氏個人が2億8000万円で落札。その上で、中務氏は今年3月、引渡命令を求めていた。
「不動産引渡の法的手続きだけに限れば、確かに要件を満たしているといえなくもない。だが、3月30日にはお寺の主張が認められて処分禁止の仮処分が出ており、中務氏は第3者に転売できない。そもそも、捜査中に加え、檀家もたくさんいてお参りしているお寺を転売するなど無理があり、なぜ、こんな物件をミングルは購入したのか? それもユニテックス=中務氏から借金までして。結局、仲間内で善意の第3者を装っても無理があるので中務氏が“買戻し”、ともかく住職らを追い出そうということでは。捜査中の担当刑事も激怒し、裁判所の方に抗議したと聞きました。
もし、中務氏が強制執行を願い出れば、さすがに大騒ぎなるでしょう。お寺側は徹底抗戦の構えですし。競売にかけられただけでも『朝日』に載ったほどですからね」(関係者)

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