久しぶりに、「ゼフィア」(大阪市淀川区)、「ユニテックス」(大阪市浪速区)の代表を務める中務稔也氏(右下写真。73)との訴訟につき報告する。
これは、1000年以上の歴史がある大阪のお寺「正圓寺」(阿倍野区)の約3300坪の境内敷地を、中務氏が代表の「ゼフィア」が取得したことにつき、“乗っ取り”の疑惑があると報じたところ、中務氏は本紙を計7件も提訴して来たが、今回報じるのは、その内の1件につき本紙が控訴した件。
計7件の内訳は記事削除の仮処分と本訴があり、本紙が今回控訴した件は、本紙が報じた2つの記事につき、中務氏が2023年8月に仮処分申立。その判決が24年2月に出て、東京地裁は記事の一部の削除を命じたが、中務氏はこれを本訴。その判決が今年7月にあり、裁判所は中務氏の主張を認め、これを不服として本紙が控訴したという流れ。
これだけ見ると、読者は本紙側が大負けしていると思うことだろう。
だが、真相はまったく違う。
中務氏はこの2つの記事の全面削除を求めた。
だが、仮処分でも、本訴の一審でも裁判所は“乗っ取り”の部分に関しては削除を認めていない(*別件訴訟で、今年3月、疑惑ではなく“乗っ取り”との一審判決。そして翌4月にこの判決は確定)。削除を認めているのは、中務氏が所有後にお寺土地の一部を転売。その相手に貸したカネが返済されないとして競売申請したが、1つの記事はその際、中務氏側が暴力団に入札に関して協力を求めたとの情報がある。もう1つの記事は、その得た情報を本紙・山岡が提出した陳述書のなかで述べている旨の、どちらも数行の部分に過ぎない。
だから、この2つの記事のその数行は裁判所命令に従い現在削除しているので読者は見えないが、中務氏の乗っ取りを前提した記事の大半は現在も見える(記事①。記事②)。
したがって、本紙としては仮処分も、本訴も実質、勝ったという認識なのだが、本紙弁護士が、それでもやはり悔しいので、弁護料は安くしておくから是非控訴しては、との助言に従い控訴した次第。
控訴理由書を出したのが今年9月のことで、第1回口頭弁論期日は12月4日午後2時30分から(ただしウェブ会議。事件番号は令和7年(ネ)第3784号)。



