本紙が、1000年以上の歴史がある「正圓寺」(大阪市阿倍野区)の約3300坪の境内敷地を「ゼフィア」(大阪氏淀川区)、「ユニテックス」(大阪氏浪速区)の代表を務める中務稔也氏(横写真。73)が所有したことにつき、“乗っ取り疑惑”と報じたところ、その関連記事6本を、事実無根だとして、中務氏が削除を求めた訴訟の判決がついに確定した。
大阪地裁での仮処分に続き、東京地裁での一審判決(本紙YouTube版で詳報)も、記事は真実ないし真実相当性があるとして、6本とも削除する必要はないとしたが、中でも最大の争点だった「お寺乗っ取り疑惑」との記述につき、一審判決は、「原告が正圓寺の財産を奪い取ったことについては真実であると認める」(下写真=判決文より)と、疑惑どころか、“お寺乗っ取り”は真実であると認めていた。
中務氏はこれを不服として控訴しようとしたが、本紙既報のように、期限を過ぎて控訴状を出すという大失態を犯し、控訴状を受け付けられなかったことから、一審判決が確定したことを、昨日、東京地裁で確認して来た。
本紙は仮処分も含め、この中務氏に計7件訴えられたが、最も重要な訴訟が本件。後、2件の本訴訟が残っている。
1件は「中務氏は逮捕されるかも知れない」と報じた本紙YouTube版の削除、もう1件は中務氏が仲間を介してお寺不動産の競売落札を暴力団側に依頼した旨の記事中の数行に関する削除と損害賠償請求事件。前者は、中務氏は実際にお寺側に詐欺容疑で告訴され受理になっていた事実に加え、民事とはいえど、“乗っ取り”(=すでに逮捕されている2名と組んでカネを払わずに所有権移転)が認められたのだから、こちらも本紙が負けることはまずないだろう。後者に関しては、昨日、証人尋問があったので、その件を近く報じる。 判決確定を受け、まずいいたいことは、大手マスコミは警察情報だけに頼り、すでに逮捕・起訴されている2人(1名はすでに有罪確定)と中務氏は深い関係があるにも拘わらず、そのことを一切報じず、逆に、中務氏側の訴えで逮捕・起訴されたお寺住職(当時)、総代(同)の2人を殊更悪者のように報じたことだ。報道機関としてあるまじき行為だ。
しかし、悪いことをしたのに何ら反省しないどころか、被害者側を貶めれば、シッペ返しが来て当然だ。(*以下に、本紙・山岡が最近雑誌に書いた一審判決の解説記事を転載)