アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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本紙に対するYouTube削除仮処分申立を取下げ――お寺乗っ取り事件で、「自分は逮捕される可能性がある」と認めた中務稔也氏

本紙は、大阪のお寺「正圓寺」乗っ取り疑惑(後に事件化)を巡る一連の報道のなかで、本紙YouTube版でも報じ、2023年10月13日の配信分(冒頭左写真)では、すでに逮捕された2人に続き、「中務さんも(*編集部注。逮捕)という可能性は、ボクは十分あると思っているんですね」と述べていた。
これは、具体的には、大阪で「ゼフィア」「ユニテックス」などを経営する中務稔也氏(冒頭右写真)のことを指すのだが、中務氏はこれを名誉毀損だとして、そのYouTubeの削除を求める仮処分を昨年12月に東京地裁に申し立て、この間、審尋が行われていた。
最後の審尋が5月15日にあり、後は裁判所の決定を待つだけになっていた。
そうしたところ、中務氏は5月23日、この申立てを取り下げた(右下写真) 。
なぜか?
それは、この審尋を通じて、YouTubeを削除せよとの決定が出ないことがわかったからに他ならない。
本紙では、その理由につき、まず、2回目の審尋が終わった後の2月24日に報じていた。中務氏は、「逮捕される可能性」についての本紙・山岡の発言につき、「事実の適示」と主張していたが、裁判官は2回目審尋で「意見論評」の可能性が十分あると言っていて、それは本紙側にとってひじょうに有利なことなので、その理由につき解説していた。
さらに、最後の審尋直前の5月9日に配信した本紙YouTube版(左下写真)では、中務氏側の、「例え『意見論評』だとしても、殊更、中務氏の人身攻撃に及び、正当な意見論評の範囲ではない」との主張がいかに根拠のないものか詳しく解説していた。
実際、こちらのその主張書面を最後の審尋で本紙側が提出したところ、中務氏の代理人弁護士は追加の反論をしない(実際は出来ないというのが正確だと思う)という。
驚いた様子の裁判官は、再度、反論をしないか確認。それでもしないと聞くや、裁判官は本紙が中務氏の逮捕の可能性について述べたことは、「意見論評」の可能性が十分どころではなく、「意見論評で、しかも悪意的に取り上げているとも考えない」旨発言し、本紙は「勝った!」と確信した。
それは中務氏側も同様で、だから自らが訴えておいて、負けると確信するや、審尋が終わってから取下げ、「YouTube削除を認めない」との決定が出ることを阻止したわけだ。卑劣としかいいようがない。
もっとも、見方を変えれば、「YouTube削除を認めない」との決定が出ても「不当決定(判決)」ということはできるが、自らが取り下げたら、自らが「自分は逮捕される可能性がある(あった)」と認めたといわれても仕方ないだろう。
以下、なぜ、本紙が勝ったのか、解説する。

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