アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

今野智博元衆議院議員の弁護士法違反事件主犯格・湊和徳被告に懲役2年の求刑(他の非弁提携への関与、さらなる黒幕の存在も浮上)

3月4日午前10時から、湊和徳被告の弁護士・検察両方の被告人質問と論告があり、検察は湊被告に懲役2年を求刑した。

逮捕時、大きく報道されたように、今野智博弁護士(冒頭写真)は衆議院議員(自民党。旧安倍派)を2期務めたにも拘わらず、2023年9月~24年3月までの約半年間で、その信用を謳い、詐欺被害者約900人から着手金名目で計約5億円を集金したものの、被害金回収はまったくというほどやってなかった。詐欺被害者からすれば、詐欺の2次被害に会ったようなもので、極めて悪質な事件だ。

わずか半年ほどで約900人もの仕事を引き受けられたのは、SNSでの広告の他、弁護士でない者に弁護士業務もやらせていたからで(これが弁護士法違反の非弁提携に問われている)、その非弁提携の主犯が湊被告と見られている。

しかも、今野被告はこの違法な報酬を得ていることを誤魔化すため借名口座を作り、広告費名目で送金していたとして「組織的な犯罪収益の規制」違反にも問われているが、湊被告もその共犯に問われている。

なお、本紙がこの事件を裁判の様子まで取り上げるのは、同じく共犯で主犯格と見られる辻直哉被告(左下写真)は過去、複数の別件詐欺を働いていたと見られるが、被害者と言われて記事を書いていた因縁があることに加え、この事件の最初の記事で報じたように、さらなる黒幕がいて、今野弁護士以外にも複数の弁護士を裏で操り、大儲けしている大規模な闇のネットワークの存在に関する告発があったからだ。

この事件では今野、湊、辻(2年の求刑)、それに松井宏被告(懲役10月の実刑)の4人が起訴されており、一審の公判は大詰めを迎えている。だが、これまでさらなる黒幕の存在は出ていなかった。また、本紙が特に注目する辻被告の役割も不確かな面があった。

だが、この日の湊被告の公判では、おぼろげながら黒幕と思われる存在が検察側から出たり、今野被告だけは無罪を主張しているがそれを覆したり、辻被告もやはり主犯格に違いないと思わせる証言が湊被告から飛び出すなど注目の公判となった。

そこで、長い記事となるが、今回はまず記録出来た限り、その証言を以下羅列して紹介する(要約)ことにした。

なお、今野・辻・松井各被告の公判の裁判長は同じ坂田威一郎氏だが、湊被告は実質逃亡し3人より約2カ月遅れで逮捕されたためか、裁判長は水越壮夫氏で異なる。

 

〇弁護士による被告人質問

①<弁護士法違反について>

弁:業務の開始はいつ?

湊:(2003年)9月10日ごろ。

弁:詐欺被害者から電話が来てからの流れは?

湊:事務員による相談受付、契約締結、今野の電話対応、実務といった流れ。

弁:依頼者との契約締結までは今野は一切関与していない?

湊:はい。

弁:では、契約締結後はどうか?

湊:その後の書類作成や返金対応は今野が行っていた。

弁:契約を締結する前はどうか?

湊:今野は関わっていない。

ただ、詐欺被害者の対応について事務員から相談があったりした際は、適宜今野が対応していた。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧