アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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元衆議院議員の今野智博弁護士法違反事件で浮上した、弁護士を操る詐欺ネットワーク

 7月2日、東京地検は今野智博容疑者(冒頭写真。48)を弁護士法違反(非弁提携)容疑で起訴した。
今野容疑者は比例復活(北関東ブロック。埼玉11区)で2回当選の自民党元衆議院議員(2012年12月~17年9月。旧細田→安倍派)。
2005年10月弁護士登録(埼玉弁護士会所属)。
元国会議員を売りに、専らSNSを通じた投資詐欺の被害金回収を受け負っていた。
しかし、その実態はといえば、自分はまったくというほど弁護士活動はせず、弁護士資格のない者が、詐欺師が被害金を振り込ませた銀行口座を凍結すればいくらかは戻るなどといい着手金を振り込ませていた。しかし回収実績はまったくというほどなく、高い着手金を取れば、後は次第に連絡を絶つことに。
警視庁の調べによれば、今野容疑者に名義貸しを頼んだ辻直哉容疑者(51。同容疑。起訴)らは昨年9月~今年3月、全国の特殊詐欺被害者約900人から計約5億円を受け取り、今野容疑者はその約1割の報酬を得ていたと見られる。
これだけ聞けば、元衆議院議員ともあろう弁護士がとんでもないと思うだろうが、関係者によれば、数年前から、今野容疑者のような名義貸し弁護士が増えているという。
背景には、弁護士の過剰で仕事を取れない新人など、それに高齢弁護士も多いようだ。
しかし、誤解を恐れずにいえば、もっと悪いのは名義貸し弁護士を募り、本来は弁護士しかやれない業務をやる辻容疑者のような存在。
「被害にあった者は、ネット社会なので、弁護士もネットで『詐欺に強い弁護士』『24時間対応』『無料相談』といったワード検索で選ぶ。それに目を付け、そういう検索でトップに来るようにして、実際はまともな弁護はせず専ら着手金狙い。
被害者の名前や住所、どういう経緯でどういう被害に会ったか、被害額はいくらかなど、すべてLINE無料相談で事務員が24時間、マニュアルに基づいて対応。で、着手金狙いなので、その後、口座凍結さえすれば一応仕事はやったことに。うるさい被害者には一部返金する。口座凍結手続きもマニュアル化されている。ですから、普通ではあり得ない膨大な件数を引き受ける。その分、弁護士を操る側の彼らの報酬は莫大」(事情通)
しかも、驚くなかれ。
今回の今野弁護士の逮捕は、そもそもは特殊詐欺事件を手掛けている過程で判明した結果で、実は弁護士代行の非弁活動をしていたグループは、同時に、ないしは過去に詐欺をやっていたグループとの見方もある。

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