アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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元衆議院議員、今野智博弁護士の名義貸し事件初公判――無罪主張も、共犯の松井被告は自白済

報告が遅くなったが、11月28日午後1時半から、東京地裁(坂田威一郎裁判長)で今野智博被告(冒頭写真。49)の弁護士法違反(非弁提携)事件の初公判があった。
元衆議院議員(当然2回。旧安倍派)でありながら、逆にそのことをSNSで謳い信用付し、詐欺被害者の顧客を集め、わずか半年で全国から約900人、総額約5億円の着手金を集めていた。
だが、その実態は、ほとんど自分は弁護士業務をやらず、弁護士資格のない辻直哉被告(右下写真)、松井宏被告、湊和徳被告らにやらせていたとされる。
本紙の協力者が傍聴して来たので、その初公判の様子を報告する。
黒いスーツに白ワイシャツ、水色ネクタイの今野被告は厳しい表情で入廷。
まず、検察側が起訴状を朗読。
弁護士資格を持たない辻、松井両被告らに違法な名義貸しを行い、詐欺事件の被害金の委任契約、法律事務を行った旨述べた。
これに対し、今野被告は「辻、湊、松井に法律事務はさせておらず、また自分の弁護士の名義も利用させていない」と述べ、無罪を主張した。
その後、検察側の冒頭陳述(*主な要点を要約し羅列)。
・松井を含めた今野、辻、湊の4名で弁護士法人を設立。
・当初、弁護士を雇い「今野法律事務所」を支店化する予定だったが、弁護士を見つけられないまま2023年8月開所。
・新橋グリーンビル8Fを今野名義で借りるも、今野は事件当時埼玉におり、ビルには常駐していない。
・事務員らの採用に関しても今野は関わっていない。
・詐欺被害者から得た売り上げの内、取り分は今野10%、湊らで90%を分配。
・9月2日にインターネット上にフリーダイヤル、「FX、マッチング詐欺、詐欺被害は弁護士へ依頼し返還請求可能」などの広告を打つ。
・今野法律事務所名でLINEアカウントを作り自動応答システムで対応していた。
・事務員らはマニュアルを共有し、マニュアルには「不安をあおる」などの記載。
・それらを元に、相談者の懐に入り込み事務員らに契約させていた。
・松井らは今野になりすまし依頼者に電話をかけており、それを「先生電話」と呼んでいた。
・着手金の合計を売り上げとし、事務員らは営業成績表を作成していた。
・湊指定の口座には経費等引いた内6%前後、辻は売上の5%、松井はアークスの給料として230万万円+売上の2~5%を湊から受け取っていた。
・被害者からの例外的な対応(依頼キャンセルや着手金返還など)は今野が実施。
・2023年11月には処理しきれないと判断し、12月に「年明けからネット広告を取りやめたい」と湊に進言。しかし24年2月ごろまで掲載されていた。
・少なくとも24年1月まで非弁活動を行い、今野はそれらで得た利益の10%を報酬として得ており、着手金総額は4億9000万円にのぼる。
・特殊詐欺で捜査中、新橋のビルに関係者が出入りするのを発見。捜査すると弁護士法違反があり逮捕に至った。

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