4月4日、國重惇史氏(冒頭写真右人物)が難病(転倒などによるケガは病気のためだった)と闘病の末、死去した。享年77。
住友銀行(現「三井住友銀行」)元取締役。「住銀」といえば、3000億円が闇社会に消え、戦後最大の経済事件といわれたイトマン事件を思い起こすが、國重氏は後に「三井住友銀行」初代頭取、「日本郵政」初代社長を務めた西川善文氏の下、この不良債権処理に奔走。その件を綴った著書『住友銀行秘史』(2016年)はベストセラーになった。
2005年には、三木谷浩史会長兼社長(冒頭写真左人物)に請われ「楽天」(現「楽天グループ」。4755。東証プライム。東京都世田谷区)№2の副社長に就任。ところが、2014年、女性問題で辞任。
離婚し、多額の慰謝料を取られ、経済的に窮してか、その後、上場企業とはいえ、「リミックスポイント」(3825。東証スタンダード。東京都港区)の社長に就任したことで人生が暗転する。
同社の背後にいた、反社会勢力といってもいい「松浦大助グループ」と関りを持つことになるからだ。
今回の死去につき、大手マスコミがまったくというほど取り上げないのは、リミックス社長就任以降、それまでの多くの友人・知人から関係を断たれてしまったためではないか。また、國重氏の死去と同日に出た週刊誌の、三木谷氏と反社会勢力、薬物関連記事への対応もあってのことか。
本紙・山岡は、楽天副社長時代、楽天証券の疑惑で取材したことがある。いつかは忘れたが、電話が國重氏からかかって来て、出たらイキナリ「告訴したから」旨いわれ切られたこともあった。
そうかと思えば、リミックス社長時代、前出の松浦グループの件を報じていたら、仲介者を立て、松浦グループとは手を切るからそれまで記事を止めてくれといわれたこともあった。
剛腕で、清濁あわせ持つが、何だか憎めないタイプの人だった。