昨年12月30日、吉田真次・下関市議(38)が記者会見を開き、安倍晋三元首相の死去に伴い、今年4月にも行われる予定の衆議院山口4区補選への出馬を表明した。
本紙では、この吉田市議は、安倍氏死去直後から安倍事務所(昨年末解散)、安倍後援会が後継として推していた昭恵夫人のダミーだと思っており、その理由については本紙既報記事をご覧いただきたい。
記者会見では、安倍氏が実現できなかった憲法改正、拉致問題解決など行い、安倍氏の遺志を引き継いで「日本が世界の中心で咲き誇る国になれるように力を尽くす」と威勢がいいが、政治経験は市議3期途中に過ぎない。また、吉田氏のツイッターを覗くと、「我が日本国、天皇陛下万歳」と自己紹介のところに記されており、フォロワー数はわずか1000人ほど。こうしたこともダミー説の根拠の一つであると共に、政治家資質として危うさを感じないわけにはいかない。
だが、本紙はもっと重大な問題を提起したい。
それは、同時に、安倍氏にもリンクすることだ。
昨年12月21日、警察は、北朝鮮産シジミを国産に偽装して販売していた不正競争防止法違反容疑で全国の多数の関係先を家宅捜索したが、その中心と見られるのが、安倍氏の地元、山口県下関市に本社を置く「アイコー」なる海産物輸入会社。
もっとも、警察はこの事件を広報しておらず、それは北朝鮮の資金源になっていると見て、実際には公安事件として捜査しており、公開されることで今後の捜査に支障を来たすといけないからだ。
ところが、そのアイコーの代表と、わが国公安さらに安倍氏との間に接点が見られることを本紙は既報している。その記事では述べなかったが、安倍氏が死去したことも、今回事件化したことに繋がっているのではないかと本紙は見ている。
結論を先にいえば、安倍氏だけでなく、吉田氏自身も、背後に北朝鮮政府が垣間見える「下関市の闇人脈」といってもいいネットワークに位置づけられる者だからだ。
以下、解説して行くが、その発端につき、すでに本紙では昨年6月30日に報じている。
昨年、東京地検特捜部は太陽光発電関連会社「テクノシステム」の捜査に乗り出し、その延長線上で公明党代議士だった遠山清彦氏を貸金業法違反で有罪に持ち込んだのはご存じ通り。同事件では、政治ブローカーといってもいい牧厚氏も有罪に問われたが、その牧氏の側近で、罪にこそ問われなかったが、家宅捜索、事情聴取も受けたのは「奥平陸」氏なる事件屋といってもいい者だが、彼は下関市出身で、その奥平グループの中心会社「サスケホールディングス」(下関市)の監査役に2017年3月から18年4月まで就いていたのが吉田氏(横写真は会社謄本)だった。また、その前、16年9月から17年3月まで同じく監査役に就いていたのが安倍氏の元秘書で、現・下関市長の前田晋太郎氏だった。なお、奥平氏は吉田氏の辞任後、サスケホールディングスにおける消費税還付の虚偽申告などの容疑で逮捕、起訴され、有罪判決を受けている。
そして、この奥平グループと、今回、家宅捜索を受けたアイコーを中心とする代表一族グループが極めて親しい関係にあり、そこにまた安倍氏人脈もリンクしているのだ。