「アジアゲートホールディングス」(1783。スタンダード。東京都港区)といえば、筆頭株主だった「普済堂」が昨年10月に株を手放した後も、本紙既報のように、反市場勢力と見られる「許振東 」氏なる人物の影が見え隠れする、現在は不動産販売と不動産コンサルに特化した企業(旧名南野建設→A.Cホールディングス)。
そのアジアゲート、昨年12月30日、松沢淳会長(冒頭写真)、森欣也社長は代表権がなくなり(松沢氏は取締役会長に)、代わって田野大地氏が代表取締役社長に就任したが、その田野新社長の経歴を見ると、やはり許氏との関係が指摘される「SJI」(現CAICA)の関連会社や「ラオックス」にいたことがわかる。
また、アジアゲートは昨年11月、約31億円を投じて「NC MAX WORLD」(東京都中央区)という不動産会社を子会社化(今年2月には完全子会社)しているが、その買収資金の一部は「金山能源(キングストンエナジー)」(香港上場)の株で決済され、現在、その金山能源の筆頭株主は前出・許氏の長女との有力情報もある。
今回、本紙で報じるM&A詐欺疑惑が出ているのはこのNC社ではなく、20年7月に買収した不動産コンサル「NSアセットマネジメント」(東京都港区)と不動産売買仲介業「NSリアルエステート」(同。NSアセットの100%子会社)を巡って(以下、この2社併せ「NSグループ」略)。
この「NSグループ」の買収方法は変わっていた。
アジアゲートが100%子会社「AGNSアセットマネジメント」(東京都港区)を設立し、そこがNSグループを買収。その際、NSグループの代表だった2人はAGNSの無議決権種類株式を1株5万円で各100株取得(つまり取得総額は1000万円)。
それから6カ月以降、アジアゲート側が買収前のデューデリに続き、改めて価格算定を行って、AGNSの時価総額(株主価値)が買収時同様、10億円以上の場合にはアジアゲート側がその200株を5億円で買い取るという内容だった。
なぜ、こんな後づけの条件付き売買を売主側が飲んだのかとも思うが、売る側としてはこの方法は税金対策上有利ということもあってのようだ。
そして、この際のデューデリや価格査定を行っのが「東京フィナンシャル・アドバイザーズ」(東京都千代田区)。そう、本紙が数々の疑惑を指摘したところ提訴して来た公認会計士・能勢元氏(横写真)が代表を務める会社なのだ。
(*能勢氏関連の情報提供を求めます!)