アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<新連載>『わが国の親権問題を考える』第5回「なぜ、家庭裁判所は公正に判断してくれないのか!?」

今回は、離婚後も子どもが望めば両親どちらとも会える社会を実現できるよう法改正を目指して運動している「桜の会」の平山雄一郎代表(46。冒頭写真。長女と)自身の実体験を紹介する。
平山氏は夫婦で大阪にて飲食店を経営。誰もがおしどり夫婦と見ていた。
ところが、平山氏がある難病に罹り自宅療養中、知り合いから指摘され問い詰めたところ、妻(40)の浮気が発覚。結婚13年目のことだった。
相手男性は不貞を認め、二度と妻と会わないなどの「合意書」に代理人弁護士が署名・捺印している。これが2018年7月3日のことだった。
2人の間には一女一男がいる(下右写真。11と7)。妻も子どものために離婚しないといっていた。
ところが、それから約1カ月後、妻は2人の子どもを連れ去った(平山氏はその2日後、自宅で首を吊る。ICUに2日入ったが回復)。平山氏のDVから避難するとの理由からだった。
これに対し、平山氏は同年12月5日、逆に妻を虚偽告訴罪等で告訴している。同告訴状によれば、妻方親は、妻が不貞行為で離婚や親権獲得に不利になることを恐れ、平山氏に対しDVによる保護命令で有責にさせ、妻の離婚や親権獲得が有利になるように代理人弁護士らと共謀し虚偽告訴したと主張している。
確かに、DVで110番通報したのは、相手男性が「合意書」で不倫を認め慰謝料も支払うわずか5日前のことだった。そして110番通報で警察は駆けつけたものの、妻はDVをしたら出来る傷や腫れの確認させることを求めず、平山氏は逮捕も聴取もされていない。一方、妻に対する虚偽告訴は、DVの訴えでかけつけた同じ警察署だが、受理になり、起訴するほど悪質ではないとして不起訴にこそなったが妻は事情聴取も受けている。
「虚偽告訴なのは明らかです。調停の席でも、虚偽告訴で受理になった事実を突きつけると、家裁は一切DVのことに触れなくなりました。DVが虚偽なら、子どもの連れ去りはただの誘拐でしょう。ところが、先に子どもを連れ去った方には『継続性の原則』といって、すでに子どもは相手先で平穏に暮らしているからそれを乱すようなことはよくないという理由にならない理由でまず間違いなく監護権、そして親権を認める。子どもがボクに会いたいと訴えてもです(詳細は後述)。また、それは理不尽と、こちらがもし子どもを連れ返したらこちらは未成年者略取(・誘拐)罪で逮捕です。おかしくないですか?(*ただし、平山氏のケースでは、妻はDVを理由に市役所に住所秘匿を要請。1年毎に更新で、妻が更新しない限り秘匿は解除にならないのでどこに住んでいるか平山氏はまったくわからない)」(平山氏。以下、カッコ内すべて同)
実際、この1年に限って新聞検索しただけでも、実親によるわが子の未成年者略取事件が複数出て来た。確かにそのいずれも、先に妻に連れ去られて夫が取り戻そうとしたケースのようだ。
20年8月、佐賀県警は理容師の男を同容疑で現行犯逮捕したという。妻はDVを主張し長女(1)を実家に連れ去り。これに対し、男は長女を連れ戻そうとして、「私の子どもなので妻の同意は必要なく、悪いことをしたとは思いません」と供述しているという。
また今年3月、ブラジル国籍の工員の男が静岡県警に同容疑で逮捕されている。こちらはすでに離婚しているが、「(未成年の)長男に会いたい」と妻の実家から連れ去ったとして、妻が110番した結果。
もう一つは、中学教諭について同容疑で逮捕していたが、岡山地検は不起訴処分にしたというもの(理由は明らかにしていない)。教諭は、別居中の小学生の息子を小学校から自分の自宅に無理やり連れ去ったという。
もっとも、世界の主要国は離婚後も「共同親権」制度を取っており、したがって、最初に連れ去った側が罪に問われ得る(*むろん、本当にDVの場合は問題ない)。再度の連れ去りも同様だが、「単独親権」制度のわが国において、この不公平さに理不尽との声が出るのは無理もないのではないか。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧