アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<新連載>『親権問題を考える』第2回「“お母さんに会いたくない”――夫側の“洗脳”を理解できない調査官」

 まずは、試行錯誤のなか開始したとはいえ、2回目の連載が遅くなったことをお詫びします。今後は遅れることなく、月1回厳守で連載して行きますのでよろしくお願いします。
さて、1回目の記事を載せたところ、反響の大きさに驚きました。
昨年10月には、世界の主要国のほとんどが「共同親権」制度を取るなか、わが国の離婚後は子どもの親権を父母の片方しか持てない「単独親権」制度は、幸福追求権を定めた憲法13条に違反しているとして、東京などに住む30~50代の男女6名が国を相手取り、総額900万円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に提訴。同11月には親権を取られてわが子と会えぬ親ら男女22名が、単独親権制度の廃止を求める提言を超党派の国会議員に提出。そして今年2月からの法制審議会(法相の諮問機関)ではテーマの一つとして、「共同親権」制度が始めて検討されるなど、法改正に向けた動きが確実に起きていることもあってのことだろう。
しかしながら、本紙の元にも、第1回の記事を報じた後、共同親権に「反対」との意見が、親権を取った母親の方から複数寄せられた。
その最大の理由は、「共同親権」となり、子どもに暴力を振るったり、イタズラをする元夫に会わせるなんてとんでもないからというものだった。だが、本紙はそうした問題と共同親権の問題は別物で、むろん、そんな者が子どもに会う権利があるわけもなく、共同親権制度を設ける際、そんな親には接見させないキチンとした規制を設けるべきだと思っている。
とはいえ、そうした懸念から反対の声もあることから、第2回の今回は、あえて、妻に対しDVを行い、子どもにも愛情を注がず、かつキャンブル狂の夫の方に親権が認められた理不尽と思わないわけにはいかないケースを取り上げる。
そんな夫でも、まだ幼いわが子をコントロール(洗脳)し、うまく振る舞えば、調査官はそれを誤解。ともかく子どもを連れ去り一定期間子どもと生活していたこともあり、それが既得権のようになってしまい、夫側へ親権を認めたのだ。

母・安藤美恵子 42歳
和歌山県生まれ。大阪市在住。
教育大学卒で、国家公務員。
転勤先の大阪市で、共通のスポーツを通じて知り合い08年結婚。3人の女の子をもうける。現在、上は小学5年、下は1年生。
夫(すでに離婚)は大卒の警官。バツ1(子なし)。
結婚後すぐ約300万円の借金が発覚。
毎日のように飲み歩き、パチンコ、麻雀、競馬とキャンブルに溺れ、小遣いを渡さないと酒を飲んで暴れ、家中の荷物をめちゃくちゃにしたり、ぬいぐるみに包丁を刺していたことも。
それでも子どもが生まれれば変わってくれると我慢していたが、結局、変化なし。
17年、夫が単身赴任になると、ますます浪費癖が激しくなり、ギャンブルに加え、携帯の課金ゲームの支払いだけで月6万円のことも。消費者金融からも借入するように。
何より許せなかったのは、3人の子どもの誕生日を忘れていたり、保育園の卒園式、小学校の入学式にも単身赴任を理由に来なかったこと。
18年12月、離婚を申し出ると、借金返済のために生きて行くとしぶしぶ了承。
19年2月、義母と突如、自宅に来て、遊びに連れて行くといいそのまま上の2人を連れ去り。その2日後、3女も保育園(当時)から連れ去り。
19年3月、子の監護権者指定・引き渡しの家事審判、審判前の保全処分を申し立てる。
この間、子どもが怖がっているといわれ、約半年間子どもと断絶。
2回の試行面会があるが、調査官は夫側に親権を認めた。
抗告するも棄却に。

〇安藤美恵子サンが特に主張したいこと

・なぜ、だらしない夫に親権を認めるのか? 結局、連れ去った者勝ちなのか?
・調査官の目は節穴なのか(子どもを夫が洗脳し、「お母さんといたくない」「怖い」などと発言させて問題ないのか?)
・面会交流を悪用し嫌がらせ、子どもまで傷つける夫側

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