8月24日、本紙は、大阪のお寺乗っ取り疑惑で関与を報じたところ、実業家を自称する中務稔也氏(冒頭写真。不動産会社「ゼフィア」、警備会社「ユニテックス」代表)が、本紙の記事削除を求めて大阪地裁に申し立てしたものの、その記事6本すべての削除申し立てが却下されたこと、それにも拘わらず、新たに別の関連記事2本につき、また記事削除の仮処分を今度は東京地裁に申し立てたことを報じた。
ところが、中務氏、並行して仮処分だけでなく、同じ新たな記事2本につき本訴(損害賠償請求事件)を提訴していたことがわかった。
内容は、仮処分同様、わずか数行に過ぎない。記事①では「本紙は中務氏側が競売の際、暴力団側に話を持ち込んでいたとの情報も得ている」、記事②では「山岡は提出した陳述書のなかで、古西経治といった事件屋と組むだけでなく、お寺の一部はすでに競売になっているが、その善意の第三者に見せかける落札者を捜してくれるように現役の暴力団に頼んでいた事実なども指摘していた」記載部分が名誉棄損に当たるというもの。
中務氏、お寺乗っ取り疑惑自体は仮処分で負けたものだから、とりあえず後回しにし、このお寺乗っ取り疑惑のなかで暴力団も関与していたとなれば、特に警備業もしているだけにマズイとの判断から提訴したと主張している。
しかし、その2つの記事を本紙が配信したのは今年1、3月とずいぶん前のこと。実際は、その事実はバレていない、または暴力団の報復を恐れ本紙側のネタ元は証言しないと踏んで、嫌がらせで提訴したと本紙は見ている。まさに卑劣、報道の自由に対する妨害以外の何者でもない。
というのは、ネタ元は怯むことなく、本紙のために「陳述書」を書いてくれた。しかも現在、お寺側の詐欺での告訴が受理され、中務氏、ユニテックス社長、前出・古西氏につき捜査中のなか、この件は警察にも伝え情報を共有しているというのだから、この証言の信ぴょう性は高いと読者もわかるだろう。
以下、どういう風に関与したか平易に解説する。