7月8日午前11時32分ごろ、安倍晋三元首相(67)は奈良市内で参議院選挙の立候補者の応援のため街頭演説中に背後から銃撃され、同日午後5時3分、死亡が確認されたのは大手マスコミ既報の通り。
岸田文雄首相はこの凶行の報があった直後、官邸ロビーで報道陣の取材に応じ、「民主主義の根幹である選挙が行われている中で起きた卑劣な蛮行であり、決して許すことができない」と述べた。
まったくその通りだ。
ただ、本紙がスクープした安倍氏の重大疑惑の一つは、安倍氏の地元、山口県下関市の市長選で安倍氏が推す候補者に対し、強力なライバルが出馬したことから、このライバルに対する選挙妨害ビラバラ撒きを安倍事務所側が依頼、その際、見返りを約束していたが、その約束を実行しないことから、依頼させた者が安倍氏の自宅に対し火炎瓶を投げ放火未遂事件を起こしたのではないかという内容であったことを再度、振り返っておきたい(いわゆる“ケチって火炎瓶”)。
今回の国政選挙と、地方都市の首長選との違いこそあれ、選挙は民主国家の基本中の基本。7月9日の「朝日」の安倍氏死亡を受けての1面(冒頭写真)の社説では、だからこそ「そこ(選挙)では思想信条の自由、言論・表現の自由、投票の自由が、厳格に守られなければならない」と報じていた。
なお、先の重大疑惑の下関市長選で安倍氏が推して当選したのは江島潔氏で、奇しくも、今回の参院選で3回目の当選を目指している(自民党安倍派。山口選挙区)。しかも、今回の公示直前には、その江島氏のライバル候補(立憲)の自宅に糞尿らしきものが撒かれるなどし、これまた選挙妨害ではないかと見られているのだ。
ところで、今回銃撃したのは大手マスコミ既報のように山上徹也容疑者(41)。だが、本紙・山岡は今回の銃撃の一報を聞いた際(横写真の黄色カコミ=2発目の銃撃で壇上から倒れる安倍氏)、前述の放火未遂事件を起こした小山佐市氏ではないかとの考えがよぎった。小山氏は逮捕前、拳銃を持って関係者を襲おうとしていたと本紙の取材に漏らしていたし、獄中からも安倍氏に対し恨みの手紙を送っていた。また、出所後も安倍氏に辞職を求める書を出していたからだ。
これまでの大手マスコミの報道を見ると、山上容疑者は、母親が破産に至った「宗教団体」(統一教会)に恨みを持ち、安倍氏の「政治信条に恨みはない」と供述しているとされる。
しかしながら、本紙も、山上氏が某指定暴力団系の右翼団体事務所に出入りしていたとの複数の証言を得ている。それに常識的に考えて、41の年齢で、長期服役覚悟で、単に繋がりがあるからと元首相を殺そうと決意するだろうか。余りに飛躍があり過ぎる。そして拳銃の製造。政治的テロの可能性を否定するのは早計だろう。