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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第74回「中野昭慶の特撮映画」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 特撮監督の中野昭慶(1935~2022)が死去(6月27日。享年86)の新聞報道を読んで、まず思ったのは特撮の神様と呼ばれた円谷英二(1901~70)亡きあと、特に1970年代の日本映画の特撮を牽引してきたのは、中野昭慶監督だったという感慨だね。
70年代の特撮ものって、ゴジラが徐々にアイドルみたいになって、製作費も削減、怪獣映画が急速につまらなくなって観なくなっていくんだが、その一方で小松左京の大ベストセラー『日本沈没』(73年)を手がけ、パニック・スペクタクル大作に活路を見いだしたんだ。しかも同じ年、何と『人間革命』(73年)の特撮も担っている。パニックものでは『東京湾炎上』(75年)なんてのもあったね。80年代には東映で『二百三高地』(80年)『大日本帝国』(82年)、東宝で『連合艦隊』(81年)と、戦争映画で職人芸を見事に発揮し、84年の『ゴジラ』では、久々に悪役ゴジラを復活させて暴れさせ、のちの平成ゴジラにつないでいった。
 そして記念すべき海外での大仕事となったのが、2000年に北朝鮮で製作された初の怪獣映画『プルガサリ 伝説の大怪獣』だ。のちにVHSのレンタルで観たんだけど、大魔神によく似た話で、怪獣ものとしてはクオリティ高い。しかも北朝鮮の軍隊が全面協力しているので人海戦術だけでも凄い迫力なのだ。そんなわけで中野監督の仕事は、特撮ファンの間だけでなくもっと大々的に評価されるべきだと思うね。

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