アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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債権者が、「郷鉄工」元専務(資金調達担当)を詐欺容疑で告訴へ(1)

2017年9月に2度目の不渡りを出し、同年11月、岐阜地裁から破産手続開始決定を受けた元東証2部上場「郷鉄工所」(岐阜県垂井市)。
資金繰り悪化のなか、反社人脈に食い物にされた挙句のことで、本紙は当時、その状況を精力的に報じていた。その反社人脈のなかで中心的役割を果たしていたのが、事件屋の松尾隆氏(冒頭右写真)。
債権者が告訴準備中の元専務とは、田中桂一氏(冒頭左写真。53)のことだ。
その田中氏、郷鉄工経営破たん後の17年12月8日、名古屋国税局から任意で事情聴取を受けているが、その「質問応答記録書」によれば、前出・松尾氏が16年3月、郷鉄工の東京支店に営業電話をかけて来たことを契機に田中氏担当で資金繰りを頼むことになったという。
その松尾氏は登場した際、息子が経営する「LUXRESインベストメント」の顧問の肩書で「田中隆」と偽名を使っていた。後に別の上場企業の資金繰りに関する件で執行猶予中の松尾隆と判明。そのため取締役会で対応を検討したが、「すでに多くの融資先から資金を融資してもらっている状態であり、また、他に融資先を斡旋してもらえる人もいないことから、そのまま資金繰りについてサポートをお願いすることにしました」(前出・記録書より)というのだから驚きだ。
その松尾氏が田中氏に紹介したのが、公認会計士ながら、これまたいろんな事件絡みで登場する堀友嗣氏。そして、この掘氏と以前から知り合いということで郷鉄工に融資をしたのが「姥懐山開発」(宮城県名取市)なる企業だ。
この姥懐山開発、郷鉄工が1度目の不渡りを出した相手でもあることから、本紙では不渡りになった当日(17年9月1日)、この姥懐山開発に関して疑義を呈する記事を報じている
今回、郷鉄工元専務の田中氏を詐欺容疑で告訴準備中なのは、この姥懐山開発のオーナーO氏だ。
これだけ聞けば、このO氏も怪しいと思って当然だろう。
だが、今回、後述する一連の民事訴訟の記録や証拠資料、複数の関係者の証言などを検討すると、田中氏(=郷鉄工)が一方的な被害者とはとても思えない不可解な点が多々浮上する。
また、田中氏の証人尋問証書など見ると、上場企業といえど、末期症状に陥ればこんなデタラメなことをするんだと驚かないわけにはいかない事実も記されており興味深く、読者にも参考になると思われるので、連載で取り上げることにした。
第1回目は、なぜO氏は、田中氏をよりによって詐欺容疑で刑事告訴するに至ったのか、解説する。

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