本紙では年初の1月2日、「北朝鮮産シジミ国産偽装事件――下関市の『闇人脈ネットワーク』とリンクする安倍元首相とポスト安倍・吉田市議ら」というタイトル記事を報じている。
昨年末、警察は、北朝鮮産シジミを国産に偽装して販売していた不正競争防止法違反容疑で全国の多数の関係先を家宅捜索したが、その中心と見られるのが、安倍晋三元首相の地元、山口県下関市に本社を置く「アイコー」なる海産物輸入会社。
この事件、実際は北朝鮮のわが国における資金源を潰すための公安事件と見られるのだが、このアイコー側と、地元・下関市の安倍派の前田晋太郎市長と、安倍元首相の後継者としてすでに4月23日投開票の衆院山口4区補選に自民党からの出馬が決定している吉田真次氏(前下関市議、当選3回)が、地元企業トップの奥田陸氏(下右写真)なる人物を介して親しい関係にあるのではないかという内容。
何しろ、奥平グループの中心会社「サスケホールディングス」の監査役には、下関市長に当選する17年3月までは前出・前田氏が。そして吉田氏に関しても、前田市長と交代で18年4月まで就いていた。しかも、本紙既報のように奥平氏は事件屋といっていい人物と来ている。
そして、その奥平氏とアイコー側とは、奥平グループの社長がアイコーグループ企業の取締役に就いていること、奥平グループ企業の本社ビルを、アイコーグループ企業が借りていた事実などを指摘していた。
今回、同様のテーマで再度報じるのは、その後の取材で、他にもアイコー側と奥平氏側との接点が見つかったからだ。
ところで、本紙でも既報のように、岸田文雄首相は3月5日、山口県入りし、山口4区補選に出馬する吉田氏を激励した。
その激励会に出ていた者によれば、岸田首相はあいさつのなかで、安倍元首相が実現できなかった北朝鮮拉致問題の解決を望んだ。吉田氏自身、以前から安倍氏後継者として憲法改正と拉致問題を解決したいといっていた。
これだけ聞けばやれるものならやってみればだが、本紙の指摘通りなら、結局、拉致問題に関しては安倍氏も関与していたこの下関「闇人脈ネットワーク」に期待しているだけのことで、これでは北朝鮮に対し厳しい姿勢は取れず、安倍氏が朝鮮総連本部ビル売却問題で水面下では妥協(*それが悪いとは本紙は思っていない)していたこと同様、今回の北朝鮮シジミ国産偽装事件も当初からなあなあで終わると見られているのも頷ける。だが、表面上、北朝鮮に強硬姿勢を見せ裏でそうするのは国民に対する背任行為ではないのか?
では以下、新たに判明した事実を解説する。