アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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安倍元首相銃殺事件容疑者モデルにした映画上映中止のなか――無視された「経団連襲撃事件」実行犯への差別発言

経団連襲撃事件」とは1977年3月、後に朝日新聞本社で拳銃自殺(93年2月)した新右翼の野村秋介氏ら4人が、“戦後体制の欺瞞に鉄槌を下す”として、拳銃や猟銃などを持って東京・大手町の「経団連」本部に侵入し、職員12名(早い段階で女性ら8人解放)を人質に約9時間立て籠った人質監禁籠城事件。
これにより、野村氏は懲役6年、他のメンバー3人は懲役5年の実刑判決を受け服役している。
今回、取り上げるのはその際に副隊長を務めた、右翼団体・大東塾元塾生・森田忠明氏に対する差別問題。
 詳細は後述するが、森田氏は2014年10月当時、「日立製作所」(6501。東証プライム。東京都千代田区)傘下の警備会社「日立セキュリテイサービス」(日立SS)に勤めていた(2019年退職)ところ、主任が、上司の課長に対し、経団連事件を起こすような、しかも(元)右翼=暴力団=反社会勢力の者だから辞めさせるべきと進言。これを、上司の課長はたしなめたが、主任はその主張を譲らないため、「人権上の問題発言であり、放置すると大変な問題になる」と課長は取締役に報告したにも拘わらず会社として何ら対応をしなかった。
そのため森田氏自身、また当時の第二労組委員長も問題視して親会社・日立製作所の東原敏昭社長(当時)、さらには経団連(日立の中西宏明元社長は前会長)にまで抗議文や質問状が送られる事態になった(出された側は一切無視)。
だが、昨年12月、「ALSOK」(2331。東証プライム)の警備子会社の違法残業問題を取り上げたことから、本紙はこの差別発言問題を知ることになる。なぜなら、差別発言問題が起きた日立SSは2017年4月、日立からALSOK傘下に代わり、また、ALSOKの違法残業問題の当事者は、日立SSの元第二組合委員長・小又寛氏だったからだ。
古い話ながら、今、この問題を取り上げるのは、安倍晋三元首相の銃殺事件を契機に、映画『REVOLUTION+1』が制作され物議を醸しているが、同監督の足立正生氏は元「日本赤軍」メンバー。森田氏らが経団連を襲撃したのは、奇しくも、日本赤軍が起こした「クアラルンプール事件」が直接のきっかけになっていた。
 そして、今回の映画が安倍氏の「国葬」に合わせて上映されることに対し圧力がかかり、一部映画館の上映が中止(横写真)にされるなどの問題が発生。右左問わず政府に反する思想信条を持ち、表現することはむろん、生存さえも許されないような異常な社会状況になっていると思うからだ(森田氏の場合、刑期を終えた上、警備員の欠格事項である刑務所から出所して5年以内もクリアしている)。
さらにいえば、現在、旧統一教会問題が世を騒がせているが、「赤報隊事件」(87~90年)については統一教会説も出ている。そして、森田氏はこの赤報隊事件の重要な捜査対象として浮上していたとして、「未解決事件」(NHKスペシャル)で赤報隊事件が取り上げられた(2018年1月27日・28日放送)際に紹介されていたのだ。

以下、この日立で起きた右翼差別問題の時系列(以下に、森田氏が日立社長に宛てた「質問状」転載)。

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