アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「ALSOKの天皇」が唱える似非武士道に嚙みついた現場警備員――子会社で違法残業させ、その残業代482万円不払いを画策

 警備サービス2位「ALSOK」(登記社名は「綜合警備保障」。2331。東証1部。東京都港区。村井温代表取締役会長=冒頭写真)は、経営理念に「武士の精神」を掲げ、HPでも「強く、正しく、温かい」その精神を持って経営に取り組むと謳っている(下写真)。
ところが、その精神に反するとしか思えない不祥事が今年に入り明らかになっている。
連結子会社「ALSOK昇日セキュリティサービス」の社員である小又寛氏(56)はある事業所の24時間警備を相方と2人で担当していたが、人手不足から一人でやるように依頼された。19年8月のことだ。
その警備対象事業所はその時点では翌年春に無くなる予定だったし、新しい相方が来るまでの辛抱ということで引き受けた。
だが、実際にはその事業所は無くならず、また相方の補充もなく、結局、小又氏は実に約1年(週1回の休みはあり)、月の平均残業時間約220時間(最高は約280時間)、違法残業時間は総計1876時間にも及んだ。
ところが、その残業代約482万円がいっこうに支払われない。
そこで20年12月から小又氏は再三請求し続けたがやはりダメ。
そのため、小又氏は今年2月、労働基準監督署に駆け込んだ。
 すると、会社側は「強く、正しく、温かい」武士の精神に反するとんでもない主張をして来た。
「私たちは、勤務記録にある分だけ支払います」。
そう、一人での24時間勤務はむろん違法残業。それを隠ぺいするため、会社は小又氏に勤務時間記録を改ざん依頼していた。
それを逆手に取り、支払いをしない態度に出たのだった。
「これに対し、私は『では、勤務記録のない時間帯は誰が勤務していたのですか? 顧客から委託料だけ取って警備員を配置しないのなら架空請求なので顧客に告発します!』と言いました」(小又氏)
すると会社側は態度を翻し、今年5月14日、労基署より是正勧告され、会社は5月末までに労働基準法違反(違法残業のこと)の再発防止策を報告すること、小又氏に違法残業代を支払うこととした。
だが、これまた支払いはされなかった。

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