アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<報告>「共同親権」等につき法務省法制審議会中間まとめ延期のなか、「桜の会」が決起集会

 本紙連載『わが国の親権問題を考える』に協力してもらった関係から、「桜の会」(平山雄一郎代表)が年に一度の決起集会を大阪で9月17日(梅田)、18日(難波)に開催したので報告しておく。
この2日で約120名が参加。
「桜の会」は、離婚後の「共同親権」導入を働きかけている任意団体。
そして、この両日には串田誠一参議院議員(維新)、中村はるき大東市議(維新)、西ふじあき子尼崎市議(自民)が挨拶にかけつけたという。
折しも、8月30日には、離婚後の共同親権の導入をなどを議論していた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は「中間試案」のまとめを行う予定だったが見送りに。
9月10日の「共同」は、見送りになった原因は、8月26日の自民党法務部会で、保守色の強い一部議員らの反発の結果で、専門家委員の6割以上が「日本学術会議への介入のようだ」「政党の圧力で(試案の内容を)替えると禍根を残す」と懸念の声が上がっていると報じていた。
平山代表は、決起集会は毎年この時期にやっており、中間まとめが先送りになったこととは関係ないというが、気になるところ。
本紙・山岡は、こうした大手マスコミでの“自民党保守派”といった表現から、自民党の一部議員が「共同親権」に強固に反対と思っていたらそうではない。
「自民党も、維新の多くの議員も多くは共同親権に賛成。これに対し、法制審議会の中間まとめ案は共同親権、これまでの単独親権を並記。しかも、共同親権導入にしても、子どもの日常の世話をする『監護者』を片方=多くは母親に認めるもので、これに対し、自民党側が『原則、共同親権になっていない』と強硬に述べたことから、これに反発して法制審側が先送りしたのが真相では」(関係者)
むしろ、わが国の単独親権制度を欧米並に共同親権に変革しようとする件では、「夫からのDVや虐待の危険が増す」と“弱い”妻の立場から共同親権導入に反対する“保守派”は野党系議員の方に多いようだ。
こうした懸念に対し、今回の「桜の会」の決起集会では、自身、DVが理由で離婚し、元夫に十数年子どもを会わせなかった前出・西ふじ尼崎市議(下右写真)が、それでも共同親権導入を求める発言をしていた。
また、代表の平山氏からは17年ぶりに娘が会いに来てくれたという報告があったので紹介しておく。

西ふじ市議「子どもからの『「パパってどんな人? 会ってみたい』との言葉で、子どもはパパと会いたかったのに今まで我慢させ苦しめていたんだと反省し、元夫を探して会ってもらいました。
今では子どもたちと元夫は自由に連絡を取り合い会っています。私自身の反省も踏まえ、子どもの意思が尊重され優先されるような法整備が必要だと考えます」

平山代表(下写真)「娘が2歳の時に協議離婚し、元妻の再婚で会えなくなりました。そして17年後、元妻と再婚相手の離婚をキッカケに娘が会いに来てくれました。
両親の離婚で片方の親と会えなくなる子どもは、連れ去りではない協議離婚の方が多いと思います。現行法である単独親権制度では、離婚後親権を失った親は子どもと会えなくて当たり前、単独親権者は1人で子どもを育てることが当たり前。このような間違った認識が少なからずあります。子どもの利益のために子どもの意思を最優先に考え、成人するまで互いに(親同士は不仲、不満が当然ありながらも)我慢し協力することは親としての責任だと思います。間違った社会認識や間違った行政の運用を変えるために法整備が早急に必要だと思います」。

最後に、夫側が親権を取り、子どもに会えていない母親からもこんな発言があったという。
「元夫に追い出されて、家庭裁判所で争いましたが親権を失ってしまいました。面会交流審判で、月2回の宿泊交流と毎週末のテレビ電話交流の判決をいただきましたが、単独親権者(元夫)の意向で履行されることはありません。
子どもたちからの手紙には、ママと会えたらすることリストと書かれており『ママに抱きつく』、『ママと一緒に寝る』、『ママにいっぱい甘える』、『ママのところに帰りたい』と書いてありました。
子どもたちからすれば、大好きなパパとママなんです」。
平山代表はDV等の問題に関しては、
「離婚時は共同親権にして、DVや虐待のある場合は例外的に単独親権にする『原則共同親権』が自民党案。DV防止法や児童虐待防止法の見直しも視野に入れ、原則共同親権への法改正を目指しているものと思われます」という。

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