昨年、この連載で「マーチャント・バンカーズ」(3121。東証2部)につき、「医療関係の買い材料が出るということで営業をかけていた。完全なインサイダー情報」と書いたが、実際に1月4日に糖尿病治療薬開発に関して発表された。ちなみに、筆者は昨年末記事では「医療関係」と曖昧に報じたものの、確かに糖尿病関係と聞いていた。
しかし、同社の一方的なIRで相手の滋賀医科大学のサイトを見れば、この開発の基本合意は、誰でも申し込める産学連携であり、同社に限ったものではない。そのため、株価は一瞬上昇するも(冒頭写真=マーチャントの株価チャート=の黄色マーカー部分)下落に転じる。過去に増資引き受けした連中はとっくに転換して売り逃げているだろうから、やる気がないのだろうか?
次には子会社のIPO計画に関するIRが出るようだ、との情報も筆者の耳には届いているが、失礼ながら、マーチャント自体“ハコモノ”で、増資とIRが本業といっていいのに、何の新たな事業で子会社をIPO出来るというのか?
それにしても、このようにインサイダーと思わずにいられない情報が外部に漏れているということは、マーチャント側が意図的に内部情報を漏らしているとしか思えない。証券取引等監視委員会(SESC)の調査を期待したいものだ。
さて、同じく、近く出るとの情報が届いているIR候補は「アジアゲートホールディングス」(1783。JQ)だ。
同社の第三者割当及び新株予約権の払込日は1月14日(第三者は1株45円。予約権行使価格は58円)。引受先は中国側仕手筋と見られる「アクセスアジア」と、もう1社「エム・クレド」。この連載で既報のように、エム・クレドの住所はニューオータニガーデンで、「フーバーブレイン」(3927。マザーズ)と同じ。フーバーブレインも昨年10~11月に大きく上昇したが、フーバーの仕手筋とエム・クレドの笠間務代表は昔からの仲間だという。