アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第61回「四畳半アパートと同棲時代」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

今から49年前になる1973年、こちとら浪人生活を脱して大学入学、20歳になるという青春真っ盛りの時代のことだ。
この年に何が一番流行ったかというと、流行歌はぴんからトリオの『女のみち』(コテコテのド演歌!)、四畳半フォークといわれた『神田川』(かぐや姫)、『学生街の喫茶店』(ガロ)、そして花の中3トリオ(森昌子、桜田淳子、山口百恵)や郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎なんてのが人気アイドルで、『仁義なき戦い』が大ヒット(1年に3本も作られた)、日活ロマンポルノ黄金時代、小松左京『日本沈没』が大ベストセラー、『ポセイドン・アドベンチャー』の大ヒットでパニック映画がブームになる、なんてのを思い出す。
それで『神田川』(作詞の喜多條忠は昨年亡くなった)のことだけど、同棲しているカップルが二人で銭湯に行ったりする光景がいかにも貧乏ロマン風に描かれて、ちょっくらあこがれたもんだが、周りを見渡してもそんなカップルはどこにもいないのよ。やっとこさ大学生になったというのに彼女もいない!
自分は自宅通学だったが、四畳半下宿(賄い付きも結構あった)の友人も多く、よく飲んで泊まったり一緒に銭湯に行ったりもしたけどね(『神田川』と違うな)。
この頃はまた、『赤色エレジ-』(林静一)や『同棲時代』(上村一夫)という二大同棲漫画も大ブレイクして歌もヒットした。『赤色~』は、『ガロ』に連載で、前衛的なタッチなので貧乏くささはないのだが、四畳半安アパートの世界ではある。『同棲時代』は、生活状態はもう少しアップ(彼女がOL)するが質素な暮らしだ。
どれにも共通するポイントは同棲だけど貧乏というところで、あくまで下駄ばきアパート。これが風呂付き(一緒に銭湯に行けない!)マンションや団地だと普通の新婚さんになってしまってドラマにならない。
ちなみに、『神田川』に続いて『赤ちょうちん』というのも大ヒットしたっけ。これも貧乏同棲で、ここでのポイントは「(お金のないときは)キャベツばかりをかじってた」というところ。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧