まずは、医療ベンチャー「アンジェス」(4563。マザーズ。大阪府茨木市)のコロナ予防薬開発が11月に実質頓挫したことがハッキリしたことで、『週刊新潮』が吉村洋文大阪府知事を皮肉った記事が出ていたので、紹介した本紙の12月9日記事をご覧いただきたい。
これは11月5日、アンジェス自身が同社HPで、新型コロナウイルス予防ワクチンの第2/3相臨床試験の結果が、「期待する効果を得ることができず」と明らかにし、実用化時期をこれまで21年内としていたのを23年に延期したのを受けてのことだ。
本紙では、アンジェスがこのコロナ予防薬開発をブチ上げた直後から株価急騰のなか、インサイダー疑惑が囁かれたり、アンジェス創業者でこのコロナ予防薬開発の責任者である森下竜一大阪大学教授と安倍晋三元首相との繋がりなど指摘していたことから、新潮記事紹介の際にもそのことを再度指摘していた。
そうしたところ、読者から、この件でさらなる追及をとのメールが来て、この件に絡む2つの重大事実を知った。
一つは、このアンジェスのワクチン開発に国から100億円近い突出した補助金が出ていたこと。
もう一つは、このアンジェスが開発を進める「DNAプラミスドワクチン」というものは世界中でこれまで開発例がないことに加え、森下氏自身も以前から何度も抗体生産能が低い(効果が薄い)と語っていたことに加え、副反応がひじょうに高く、緊急時の開発手法としてあり得ない代物で、今回、その結果通りになったという見方。
アンジェスがコロナ予防薬開発をぶち上げる直前、希薄化が大きい新株予約権が発行され株価が急騰。これには、吉村知事の事実に基づかない煽り発言が多分に貢献しているが、その上、これでは有体にいえば、安倍元首相も絡んだ巨額補助金搾取疑惑も浮上して来たことになる。
その疑惑の信ぴょう性を増すのが、吉田統彦衆議院議員(立憲民主党。当選3回。現役の医師でもある)がこの間、国会で何度もこのアンジェスのコロナ予防薬開発のきな臭さを、安倍元首相とゴルフ友だちという関係から、そして吉村府知事の煽り発言についても取り上げ徹底追及していた事実。
以下、その核心部分を紹介しておく。
言い訳ながら、本紙が100億円近い補助金、そして吉田議員の追及の件を恥ずかしながら知らなかったのは、どこの大手マスコミも、本紙が有料新聞検索などしても一切取り上げていなかったから。
これはどうしたことか?
(横右写真=森下教授と安倍元首相。同左写真=アンジェスの株価チャート)