小池百合子都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」が、国政新党「ファーストの会」を設立すると発表した。
自民総裁選で二階俊博氏が推した河野太郎氏が破れ、二階氏は自民党幹事長を辞めて計画が狂ったのもあるだろう。
しかし、どうあれ国政に進出する前に、まずはオリンピックの総括を行っていただきたい。
これまでも大衆の受け狙いの発言が多い。豊洲移転に反対し、オリンピック村へ通じる道路の開通が遅れるも1年延長でどうにか間に合ったが、当時主張した築地跡地利用で「食のパビリオン」はどうなったのか?
さて、「日経産業」(9月29日号)に東京五輪会場整備費の当初予定と完成時、年間収支見通しが採り上げられている。
予定額 完成時 年間収支見通し
東京アクアティクス 397 567 6・38(赤字)
海の森水上競技場 89 303 1・58(赤字)
カヌースラローム 32 78 1・86(赤字)
国立競技場 1338 1569 24(赤字。維持費のみ)
大井ホッケー場 46 48 0・92(赤字)
(数字単位は億円)
新設会場の整備費は、どの会場も当初予定額を大幅に上回っている。特に海の森水上競技場(横写真)は3~4倍も拡大。小池知事が宮城県、埼玉県戸田市を開催地としたことでひと悶着あった会場だ。
筆者は現地近くまで行き、対岸から会場を見渡した。マイナー競技のため観客席は多くはない。コースは運河上のため、整備費もわずかだろう。とても303億円の設備には見えない。会場までの道路整備も加わっているのだろうか? 設備だけみればまだ大井ホッケー場のほうが立派かもしれない。裏で資金がどこかへキックバックされたか、利権が絡んでいたと疑われても仕方ないだろう。それを察知した小池知事が会場変更を主張したのだろうか? 森喜朗元首相が関わった会場とも噂されてるが、今回の総裁選で高市早苗氏を立候補させたのは安倍晋三前首相ではなく、森元首相ともいわれている。
とにかく、大きく膨らんだ設備費について小池知事、五輪担当相、森元首相など招致時の関係者は説明責任する必要がある。
さて、本題の株式市場にもどそう。
中国系仕手筋銘柄が活況だが、彼らは徐々に追い込まれているように感じる。インバウンドが蒸発した中国家電小売り「ラオックス」(8202。東証2部。羅治文社長)に資金があるようにも思えない。中国の親会社も業績悪化でトップが辞任している。日本の当局の調査も行われているという。既に「アジア開発キャピタル」(9318。東証2部)が買収した「ワンアジア証券」側は、当局に呼ばれてヒアリングを受けたともいう。