本日発売の『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)がトップ記事で、広島の指定暴力団「侠道会」(本部・尾道市)の弘田時秀相談役のインタビュー記事を4ページで掲載している。
この現役最高幹部が、選挙買収の河井事件の相手方の一人、天満祥典・三原市長(当時。元法相・河井克行被告から150万円受領したことが発覚し辞職)、それに地元有力企業「一心グループ」(福山市)の創業者で名誉会長の眞田惣行氏と蜜月関係にあったことは本紙で昨年12月に名指しで報じていた。同じく広島では河井事件で家宅捜査したことを契機に、地元の鶏卵生産大手「アキタフーズ」(福山市)と吉川貴盛元農相との贈収賄事件も起きたが、贈賄側のアキタフーズ元会長・秋田善祺氏と眞田名誉会長はクルーザーを通じて懇意だったこと、そのクルーザー停泊港工事を巡る福山市側との公私混同疑惑についてもだ。
また、この最高幹部、天満氏、眞田氏の「三位一体」による三原市の公共工事におけるバックマージン疑惑についても、本紙では昨年6月に既報していた。
今回の『アサ芸』での最高幹部の激白で、これら本紙記事の信ぴょう性が裏づけられた格好だ。
それにしても、今回証言の最大の見どころは、河井事件前、この眞田会長を介して、この地元最高幹部に、案里被告の立候補・当選で、落選の憂き目にあった溝手顕正参議院議員(当時)に関するスキャンダルネタがないか打診があったことを明かしたのみならず、その依頼元は、安倍晋三首相(当時)、二階俊博自民党幹事長で、「河井事件の根本にあるのは、安倍の溝手嫌い。日本政治の恥部」と語っていることだろう。
奇しくも、今回記事発売日の本日、河井元法相の被告人質問が始まり、河井被告はこれまでの無罪主張から一転、買収を認める証言をしたことが話題になっている。そんななか、『アサ芸』は、そうなることを事前に知っていて、今週の発売に合わせたのではないかとの憶測まで出ている。
この最高幹部、事件で問われている買収資金が約3000万円のところ、河井夫婦に自民党側から出された1億5000万円との差額が大き過ぎるとして、明らかになっている買収額よりもっと金額は大きい、まだ表に出ていない買収された議員などがいるとも話していたとの情報も。
いずれにしろ、特捜部が少しでも国民の側を向いているというのであれば、今からでも遅くない。これを機会に、1億5000万円の行方につき、捜査すべきではないか。
罷り間違っても、眞田名誉会長が影響力を持っているともいわれる広島県警と連携し、この最高幹部を逮捕・口封じするような真似をすべきではない。