この連載の第1回、第2回目で、旧ミュゼプラチナムの実質的支配者・高橋英樹氏が「広告ファンド」名目で30億円超を集めながら、配当を停止し、元金も返さず、出資者への説明を一切行っていない実態を報じた。
ところが、これに対し、高橋氏の反応といえば、第1回報道直後には、本紙編集長・山岡のLINEに、逆に宣伝になる? とお礼の言葉と共に、本紙が使用した高橋氏の写真は少しデブなので、もっと引き締まった(?)顔の写真に代えてくれとのポストが(応じず)。さらに第2回目の直後には、YouTubeチャンネルでの「コラボ対談」まで持ちかけて来た(無論、お断りした)。 しかし本紙が呆れたのは、そこではない。
本紙の取材によれば、高橋氏は複数の出資者から繰り返し資金の使途や返金予定について説明を求められているにも拘わらず、一切回答に応じていない。面談を求めても応じない。出資者には沈黙を貫きながら、メディアには愛想を振りまく。この二枚舌ぶりは到底看過できない。
そこで本紙は高橋氏に対し、出資者に成り代わり公開質問状を提示することにした。高橋氏は自身のYouTubeチャンネルで、「世の中で語られていない事実について発信していきます」と宣言している。であれば、以下の質問にも堂々と答えていただきたい。
■公開質問
【質問1】「乗っ取り」との裁判所の処分について
高橋氏は本紙の過去の取材に対し、ミュゼプラチナムが旧経営陣に「乗っ取られた」と主張し裁判所に申し立てを行い、高橋氏側の主張を認める仮処分が出たと説明している。また、一部メディアでも同様に「乗っ取りの被害者」として登場している。
本紙としても、この主張が事実であるならば改めてきちんと報じたいと考えている。ついては、以下の点を明らかにされたい。
第一に、仮処分はどの裁判所で、いつ、どのような決定が出たのか?
第二に、その仮処分決定の何を持って「乗っ取り」と高橋氏はいうのか、具体的に説明していただきたい。
第三に、本訴は互いにしなかったのか? 高橋氏側がしなかったのであれば、その理由を説明していただきたい。
第四に、仮処分決定の結果、乗っ取られたとする会社や資産は高橋氏側に戻ったのか。戻っていないのであれば、その後、損賠賠償請求訴訟や、刑事告訴はしなかったのか? していないなら、それはなぜか?
第五に、「ミュゼ、破産の舞台裏」(前代未聞の「乗っ取り」事件)を『週刊スパ』で語るなかで、「KOC」が出て来るが、高橋氏は「KOC・JAPAN」はまともな会社との認識ですか?
高橋氏がメディアで繰り返し語っている内容であるから、答えるのに何の支障もないはずだ。むしろ、事実であれば本紙を通じて改めて広く伝える機会になる。是非、お願いしたい。
【質問2】「広告ファンド」の資金使途について
「グローバルブリッジファンド」(GBF)が出資者から集めた30億円超の資金は、当初の説明通り全額が広告出稿に投入されたのか? 広告以外の用途(MPHの運転資金、暗号資産関連プロジェクトへの投資、関係者への貸付等)に充てた事実があるか否か、明確にお答えいただきたい。
高橋氏が「答えない」のであれば、本紙はそれを「答えられない」と理解する。
【質問3】真田哲弥氏の暗号資産プロジェクトへの資金投入について
本紙の取材により、GBFの資金が、東証プライム上場企業「KLab」創業者・真田哲弥氏が役員を務める「ソーラーシード」の暗号資産関連プロジェクトに投じられていた疑いが浮上している。この点について以下をお答えいただきたい。
第一に、GBFから真田氏が関与する暗号資産プロジェクトに出資または投資した事実はあるか。あるとすれば、その金額と時期を明らかにされたい。
第二に、真田氏の暗号資産プロジェクトに資金を投入するにあたり、出資者に対してどのような説明を行ったのか(出資条件等)。そもそも説明を行ってないのではないか?
第三に、同プロジェクトが頓挫し事実上終了したとされるが、真田氏側からGBFに対しどのような説明があったのか? 投入した資金は回収できたのか?
第四に、プロジェクトの頓挫を受けて、GBFを通じて資金を拠出した出資者に対し、高橋氏はどのような説明を行ったのか?
出資者の資金が当初の説明とまったく異なる用途に使われ、しかもその投資先が破綻していたとすれば、出資者への説明義務は一層重い。
【質問4】GBFの短期貸付金32億円の貸付先
GBFの決算書には約32億円もの短期貸付金が計上されている。この資金はどこに貸し付けられたのか? 貸付先、貸付条件、返済状況を明らかにされたい。高橋氏個人もしくは英門舎グループ関連会社への貸付が含まれているのか否か、明確にお答えいただきたい。
もし回答がなければ、出資者の資金が高橋氏の関係先に流れていたと疑われても仕方がないのではないか。

【質問5】GBFは破綻していない。なぜ返済しないのか
高橋氏は「MPH」の破産を理由に返済不能を主張しているが、社債を発行したのはGBFであり、MPHではない。GBFは破綻しておらず、「英門舎グループ」の中核企業として現在も活動を継続している。
なぜ別会社であるMPHの破産をもって、GBFの社債返済義務が免除されると考えるのか、その根拠を示されたい。
この質問にすら答えられないのであれば、最初から返す気がなかったと受け取られても反論の余地はないのではないか?
【質問6】「ミュゼマイル」で30億円を返済するつもりか
本年5月29日付で出資者に送付された文書において、出資元金相当額の「ミュゼマイル」を付与するとある。ミュゼマイルとは、脱毛施術やコスメ商品の購入に使えるポイントに過ぎない。30億円超の社債を、脱毛サロンのポイントで「返済」するという理解でよいのか?
また、ミュゼマイルを受け取った出資者は、金銭での返済を求める権利を失うのか否か、明確にお答えいただきたい。
なお、この文書には弁護士の監修を受けた形跡がない。出資者の権利に重大な影響を及ぼし得る内容を、法的な検討もなく送りつけているとすれば、それ自体が問題である。
【質問7】「ミュゼ・メディア・HD」のナスダック上場について
高橋氏は出資者に対し、「ミュゼ・メディア・HD」(代表・高橋氏)の2030年米ナスダック上場を「目標」として株式転換を提案している。現時点で、監査法人の選任、主幹事証券会社の内定、Sー1(上場申請書類)の準備など、上場に向けた具体的な進捗はあるのか? また、同社の直近の売上高および営業利益(純利益も)を開示されたい。
具体的な進捗を示せないのであれば、上場の話自体が出資者の追及をかわすための方便だったと見られても仕方がない。
【質問8】高橋氏個人が預かった暗号資産の所在
高橋氏は個人として、出資者から暗号資産を預かり「運用」していたとされる。当該暗号資産は現在どこにあるのか? 返済の意思はあるのか?
ブロックチェーン上の送金記録は消えない。回答を拒否しても、いずれ事実は明らかになる。
■高橋氏の沈黙が意味するもの
以上の質問は、いずれも出資者が最も知りたい基本的な事実に関するものだ。投資の成否以前に、自分が預けた金がどこに行ったのかすら分からない。それが出資者の現状である。
高橋氏はYouTubeで「ミュゼ再建のリアル」を語り、雑誌では「乗っ取られた被害者」として登場し、本紙にはコラボ対談を持ちかける。メディアに露出する時間と意欲は十分にあるようだ。
しかし、30億円を預けた出資者への説明はゼロに等しい。出資者からの面談の申し入れにも応じない。
高橋氏がこの公開質問に答えるのか、それとも沈黙を続けるのか? 本紙は注視する。
ただし、一つだけ明確にしておく。沈黙は「無回答」ではない。答えないという行為そのものが、出資者と社会に対するメッセージだ。「答えられない」「答えると都合が悪い」ーーそう受け取られることを、高橋氏は覚悟されているのだろうか?
「世の中で語られていない事実を発信する」と宣言するのであれば、まず出資者の金がどこに消えたのか、その事実を語っていただきたい。
本紙の質問に高橋氏が答えてくれる場合、その方法は書面でも、インタビューでも、動画(YouTube)でも、高橋氏が望む形式で構わない。回答期限は本稿掲載から10日間とする。回答の有無および内容は次号にて報じる。
■関係者の皆様へ
本連載に関連して、本紙には複数の関係者から情報提供が寄せられている。本紙は引き続き、以下に該当する方からの情報提供を広く求める(*こちらからお願いします)。
・GBFおよび高橋氏から出資を勧誘され、配当が停止し、説明を受けられていない出資者の方
・ミュゼプラチナムのフランチャイズ加盟店として、契約内容や本部対応に疑問を持っておられるオーナーの方
・英門舎グループの事業運営や資金の流れについて情報をお持ちの方
・その他、本件に関連する情報をお持ちの関係者の方
取材源の秘密は厳守します。



