この連載(前編)では、旧ミュゼプラチナムの実質的支配者・高橋英樹氏が自分が率いる「英門舎グループ」の中核企業「グローバルブリッジファンド合同会社」(以下GBF)を通じて、当時のミュゼプラチナム経営会社「MPH」の広告のためという「広告ファンド」名目の社債で30億円超を集めながら、MPHが破産開始決定になったからと一銭も返金せず、また説明責任も放棄している実態を報じた。
では、集められた金はどこに消えたのか?(冒頭写真=この連載(前編)を報じた直後、高橋氏から本紙・山岡へのポストの一部)
その30億円の資金の一部は、MPHの広告用だけでなく、同社の人件費や店舗賃料、販売管理費などに流用されていたことは(前編)で述べたように高橋氏らも認めるところ。それどころか、複数の暗号資産プロジェクトに投じられ、しかも頓挫ないし同名目で返金されていない疑惑が本紙の取材で浮上したので追加報道する。
その資金流出先の一つは、上場企業社長のファミリー企業だった。
スマホゲーム開発・運営「KLab」(3656。東証プライム。東京都港区)の創業者で社長の真田哲弥氏ーー彼が取締役で、妻・真田裕子氏が代表取締役を務める「ソーラ―シード」(埼玉県越谷市)という株式会社がある。
企業信用調査会社データによれば、太陽光発電設備を始めとする再生可能エネルギーの保守・管理がメーン事業とされるが、この会社とGBFはトークンワラントの譲渡契約書(横写真)を交らし、GBFが資金を出していた。
トークンワラントとは、将来トークン(暗号資産)が発行された場合、投資家(この場合はGBF)は優先的あるいは割引価格でそのトークンを付与される」という契約(ワラント)。
ソーラーシードの売上高は2000万円代に過ぎないが、少なくともGBFが2億円近くを投じている。そして、真田氏もこの契約があったことは認めている。問題は、この暗号資産「BLQS」(ブロックス)、真田氏が代表の「BLOCKSMITH&Co.」(2022年4月設立。KLabと同住所。真田氏の資産管理会社が70%、30%はKLabが株主)が展開するも上場の可能性はほぼなくなり、このトークンワラントの価値はほぼ失われている事実。
GBFで集めた資金の一部が結果的にしろ、実質無価値のトークンに化けていたことは確かで、出資者にとっては説明と実態の乖離どころの話ではない。
ここで改めて注目してもらいたいのが、この(前編)でも取り上げたGBFの「貸借対照表」(左写真)だ。
(前編)で、ここの負債の部に約34億円が「社債」として記載があることは報じたが、その一方で、資産の部には約32億円もの「短期貸付金」が計上されている。



