脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」を巡っては、これまで従業員への給与未払いや経営権の争奪劇が報じられて来た。しかし本紙の取材で、それらは氷山の一角に過ぎないことが判明した。旧ミュゼプラチナムの実質的支配者である高橋英樹氏(冒頭写真。現「ミュゼ・メディア・HD」代表取締役)が、「広告ファンド」なるファンドと紛らわしい社債で総額30億円超集めながら、ほどなく利息支払いは停止、元金も返さず、出資者からの問い合わせにもまともに応じない状態が続いている。
「広告に投資すれば短期で配当が出る」ーー高橋氏が出資者を勧誘する際に用いたのは、極めてシンプルなロジックだった。ミュゼプラチナムの広告に投資してもらい、広告出稿から得られる収益で短期間に高い配当が得られ、元本保証もすると。もっとも、これはファンドではなく社債だったのだが。
この「広告ファンド」(右下右側写真)で資金集めをしたのは、2025年8月18日に破産開始決定を受けたミュゼプラチナムを経営していた「MPH」ではなく、「グローバルブリッジファンド合同会社」(以下GBF略)である。
いつからこの資金集めを開始したのかは不明ながら、その社債募集は50回以上に及び、MPHの破産開始直前までやられていた模様だ。
というのは、以下に転載しておいたが、このGBFの「貸借対照表」(2025年3月31日)を見ると、負債の部のところに「社債」として約34億円の記載があるからだ。

GBFは高橋氏率いる「英門舎グループ」(横左側写真。東京都千代田区)の中核企業で、同グループ会社は軒並みJR「四谷駅」から徒歩10分ほどのところにあるビル4階に入居する。GBFの業務執行社員は一般社団法人「PDAA」。同社も同じビル4階に入居し、同代表理事は惠良司氏。PDAAの前の代表理事は高橋氏自身で、惠良氏は高橋氏の最側近だ。
現在もミュゼプラチナムは経営しており、その中核企業が現在高橋氏が代表の前出ミュゼ・メディア・HD。MPHは25年3月21日付でGBFに事業譲渡。そして、そのGBFが同年8月1日付で新設分割し設立されたのがミュゼ・メディア・HDという関係にある。
さて、このGBFが集めていた30億円超の社債だが、「ミュゼ広告ファンド」と、そのタイトルだけ見たらファンドと思ってしまう。何とも紛らわしく、実際、本紙の取材に応じてくれたある出資者は、本紙が指摘するまで社債と思ってなかったのだから実に迷惑な話だ。
その社債の利子は年率18%。一般には1~4%で、これに比べ異常に高い。
そこに持って来て、ファンドと勘違いしていたその出資者は元本保証も言われ、これはいいと出資を決めたという。
しかし、社債だからそもそも元金は返済して当然だ。
なお、ファンドだろうが、社債だろうが、この募集要項通り、49人までの「少人数私募債」なら、無登録営業にはならない。
ただし、GBFはほぼ同じ時期に、表向きは49人までの「私募」の形式にして、実際は一斉に多数の出資者を募集していた可能性があり、その場合は「公募」に該当するので、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いもまったくないわけではない(*違反した場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金)。
また、ファンドで元本保証をしていたのなら出資法違反の疑いも出て来るが、社債のため、そちらには抵触しないだろう。
しかしながら、この「ミュゼ広告ファンド」は他に重大な疑惑がある。



