日本タイムズ社社主・川上道大氏(79歳)の新刊が発売された。
川上氏といえば、「木原事件」(2023年)捜査をめぐり、「事件性なし」と公言した露木康浩・警察庁長官を告発したジャーナリスト。香川銀行の不正を四国タイムズ(現・日本タイムズ)上で追及し始めたところ、山口組傘下若林組から実に5回も襲撃を受け、足を銃撃されるという重傷を負ってもいる。
この襲撃事件について川上氏は本紙にこう語ったことがあった。
「うちが地元の銀行の不正に関する記事を書いた。それに対し、銀行と癒着した警察が、記事を書かせないために、地元暴力団に襲撃を依頼したんです。信じられないでしょうが、銃撃事件では、その犯行に使われた拳銃を警察が用意、犯行時、警官が近くで待機し、殺害に失敗した報告を聞いて、“何で集金人のふりして近づき、腹に撃ち込まなかったんだ!”(実際は数メートルの背後から撃った)と言っているんです」
警察が暴力団と癒着して襲撃したという、にわかに信じがたい話だ。
川上氏はそれでも、不正追及の筆を折らなかった。本書前半に、この襲撃事件に対する告訴状全文が掲載されている。
また不正追及は、一地方に止まらない。三井環・元大阪高検公安部長(本年1月逝去)と連携し、検察庁「調査活動費」の裏金化の手口を暴露し、検事総長の責任に迫ろうとした。しかし、検察は告発を隠ぺいするために三井氏を逮捕・起訴(詐欺、公務員職権乱用等)したことは有名な話だ。
さらに後半は、警察・検察・裁判所という日本の三大司法機関の裏金づくりの手口を詳細に暴露・追及している(前著『司法の裏金』ダイジェスト版)。
こうしてみると昨今の自民党「裏金」事件もそうだが、政府機関は国民の血税を貪ってきたことがわかる。しかしその真相を暴くのは相手が国家権力であるがゆえに容易ではなかった。だからこそ、これからも反骨のジャーナリズムが求められる、と実感できる(2026年4月19日発行。本体2200円)



