本紙は本日、月刊紙を出している「日本タイムズ社」(東京都千代田区)の川上道大社長(下写真の左人物)に会い、露木康浩・警察庁長官を、東京地検に告発した理由などにつき取材して来た。
その告発状は、冒頭の通り。
『週刊文春』で遺族側に立ち取材協力、また記者会見を行った佐藤誠元警視庁捜査員がやったことが地方公務員法第34条違反(捜査情報漏えい)なら、こちらは警察組織を守るためだろうが、同じく、安田種雄さんの死亡について「事件性なし」と公言した露木長官も、まずは国家公務員法第100条違反(同)というわけだ。
しかも、その行為は結果的に、犯人と思われる木原誠二官房副長官の妻X子の父=Z氏を逃がさせることになるから、刑法103条(犯人隠避罪)にも抵触し得るとして、この2つの容疑で告発している。
同告発状は8月8日に作成され、郵送され、検察庁がすでに受け取っていることは、郵便物等配達証明書から明らかだ。
前出のX子を事情聴取した佐藤担当官(当時)は、「事件性あり」と明言。また、Z氏がもっとも怪しいとも言っているが、これに対し、露木氏は記者会見で「事件性ない」と打ち消した。
こういう経緯から、もはや再捜査はあり得ないと思われる。
だが、特捜部がこの告訴を受理すれば、再捜査もあり得る。
その可能性ははなはだ低いと思わざるを得ない。
しかし、この日本タイムズの川上氏、菅原一秀経産相(当時)を公選法違反で告発した件で特捜部は不起訴としたが、川上氏は検察審査会にも申立て「起訴相当」となり再捜査になり、菅原氏を議員辞職に追い込んでいる。
まだ結果は出ていないが、つい最近でも、川上氏は「東京新聞」(3月17日)がスクープした日本医師会が麻生太郎前財務相に巨額献金(計5000万円)した問題で、最高検察庁に、麻生氏を背任罪、収賄罪、中川俊男日本医師会前会長を贈賄罪で告発してもおり、捜査が期待されている。
そうかと思えば、河井克行・案里の公選法違反(買収)の共犯で安倍晋三元首相(当時)、 本紙がスクープした黒川弘務・東京高検検事長の収賄疑惑でも告発するなど、不正があれば川上氏は多くの国民に成り代わり、刑事告発することで知られる御仁。
ただし、今回の露木長官の告発は、これまでの件以上に思い入れがあるという。
それは、川上氏自身が被害者の事件で、警察が関与していたと思われることから、理由も釈然としないまま捜査放棄されたことがあるからだという。