アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第103回「オカルト大フィーバーの70年代」

ウイリアム・フリードキン監督は8月7日、米ロスの自宅で亡くなった。87歳だった。心不全と肺炎によるという。
最初に注目された映画は『フレンチ・コネクション』(72年公開)で、ジーン・ハックマン扮するハミダシ刑事が活躍する痛快なアクションものだった。
そして大ブレイクしたのが、知る人ぞ知る『エクソシスト』(74年公開)で、当時はオカルト映画と呼ばれて、確かロードショウの初日なんか丸の内ピカデリーの周りが観客で埋め尽くされニュースでも報じられたのだ。そんなわけで少しほとぼりが冷めてから観に行ったが大人から子どもまで凄い人気で、女子中高生なんか悲鳴上げてたよ。悪魔に取り付かれた少女(リンダ・ブレア怪演!)の首が180度回転したり、緑色のゲロを吐き散らしたり、野太い声で下劣な言葉を連発したりと、従来の怪奇恐怖映画の感じとは違って圧倒されたし、悪魔祓い師のことをエクソシストと呼ぶこともオカルト初めて知った。
ゲテモノ扱いもされたが、結構ハイブローな映画だったと思う。ただし日本人には悪魔と神の対決というのはピンとこなかったはずだ。
日本の怪奇ものといったら幽霊、怨霊の祟りが中心で、悪魔憑きというより化け猫や狐憑きの世界だからね。日本映画で妖婆みたいなのがお祓いするシーンがあるけどさ、エクソシストの神父が悪魔と対決するところはリアリティがある。振り返ってみると悪魔憑きというのはカルト宗教みたいなもんだね。
ところで、この1974年前後というのはまたオカルト大フィーバーの時代でもあったのだ。
まず前年にベストセラー『日本沈没』(小松左京著)が映画化され大ヒット。年末から石油ショックで高度成長の時代に終わりを告げると、74年のベストセラーは『ノストラダムスの大予言』(五島勉著)、映画化もされたが、こちらはひどい出来だった。同じ頃、ユリ・ゲラーなる超能力者が脚光を浴び、テレビで例のスプーン曲げを披露すると、日本中の小学生が真似て、給食のスプーンに「曲がれ」と念じても曲がらないので、自分で曲げる子も続出するなど教育問題になった。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧