アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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元大阪高検公安部長著書『検察の大罪』が暴く、検察の底知れぬ腐敗と、小沢一郎捜査の不正義

 この書籍(冒頭左写真)、昨年6月に発売されながら、いまごろ紹介することを、まずはお詫びしておく。
著者はご存じ、三井環・元大阪高検公安部長(冒頭右写真。66)。自身、検察幹部だったものの、検察組織の裏金作りという犯罪を告発しようとして“口封じ逮捕”された御仁だ(すでに出所)。
厚労省の村木厚子元局長の冤罪事件や、自民党を利するためとしか思えない執拗な小沢一郎元民主党代表への捜査などがあり、検察の存在価値さえ問われているいま、三井氏は“時の人”といってもよく、本紙でもこれまでに他の著書を紹介してはいる。
しかしながら、これだけの問題だからこそ、なおさら告発する当事者は清廉潔白でなくてはならないとの見地から、本紙は三井氏への胡散臭さを拭いきれず(もし、脇が甘くなければ逮捕はなく、検察の裏金隠しは暴かれていた可能性がある)、そのため三井氏を十分フォローしておらず、本書に目を通すのが遅くなってしまっていた。
 だが、本書で1章分を割いて述べられている(第3章「二億円をめぐる検察と暴力団との癒着」)、検察は三井氏を逮捕するために暴力団組長らの協力を請い、その弱味故、当時、山口組の最大組織である山健組トップだった桑田兼吉組長(故人)の保釈を勝ち取るべく水面下で検察側と折衝したとされる疑惑さえ出ていたことを思えば、「小さな正義」に拘り、「大きな正義」を見過ごすところだったと言わざるを得ない。
何しろ、この疑惑を巡っては、山口組側から提供された2億円が消え、かつ2名の山口組幹部が殺されてもいるのだ。(横写真=溝口敦氏記事は「日刊ゲンダイ」10年10月19日号)
ところが、検察最大の汚点といっていいこの疑惑を、この間、大手マスコミはまったくというほど報じておらず、むろん、追及もしていないのはどういうわけなのか。
唯一、『週刊朝日』(取材は西岡研介氏)だけが特集連載を組んだ(上写真)ものの、残念ながら解明するまでに至っていない。

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