現在、発売中の『週刊文春』が、昨年12月、ようやく裁判が始まるなか、東京五輪の受託収賄事件で、収賄側の主犯である高橋治之被告のインタビュー記事を報じている。
4日間、計7時間インタビュー。高橋被告が事件について公式に話したのは初めて。8頁の特集記事だ。
その内容だが、簡単にいえば、高橋被告は収賄を否定。同容疑で検察が高橋被告を逮捕・起訴出来たのは、東京五輪の組織委員会会長だった森喜朗元首相が、高橋被告につき、スポンサー集めの権限があるマーケティング担当の理事になってもらったと供述しているからで、高橋被告は事実でないと主張。また、高橋被告は安倍晋三元首相から五輪招致を頼まれ、その際、「絶対に迷惑をかけない。ボクが保証する」というから引き受けたのに、その安倍氏の死去直後ほどなく事件化した。そのため、この2人への恨み節の内容ともなっている。
むろん、招致のための闇の部分にも触れているし、『週刊新潮』が報じた、「セガサミーホールディングス」(6460。東証プライム。東京都品川区)の里美治会長がIOC委員買収のため、森元首相が代表理事の財団に5億円振り込んだ疑惑についても語っており、この記事を読めば、高橋被告が逮捕で、森元首相が逮捕されないことは疑問に感じざるを得ない。
本紙がこの記事を紹介するのは、前出『週刊新潮』記事に注目し紹介していたこともあるが、別件ながら、高橋被告の330億円マネロン疑惑を報じているから。
この疑惑、未遂に思ったものの、成功していたら高橋被告には約10億円が。その額は東京五輪で高橋被告が受託収賄に問われている額の実に5倍。しかも、今回事件で受託収賄容疑の受け皿になっていた「コモンズ2」が関り、時期は2021年12月のこと。
今回の文春記事で、高橋被告は電通元専務でスポーツ担当だったことから、その人脈を生かしてコンサル料をもらったに過ぎないと潔白を主張している。だが、その絶大な力を悪用もしており、その一つがこの330億円マネロン疑惑ではないかと。だから大いに意味があるとして報じた。
本紙では2回、本紙YouTube版でも2回。
だが、YouTube版など視聴数は3000回にも届かない。
そこで、この機会に、以下に再度、紹介しておく。
〇東京五輪汚職・高橋被告の330億円マネロン仲介疑惑――10億円の謝礼要求か 2023.4.29
〇東京五輪汚職・高橋被告の330億円マネロン仲介疑惑――頼んだ会社の正体 2023.5.13