アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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東京五輪汚職・高橋被告の330億円マネロン仲介疑惑――10億円の謝礼要求か

 東京五輪汚職事件で紳士服専門大手「AOKIホールディングス」(8208。東証スタンダード。横浜市都築区)、出版大手「KADOKAWA」(9468。東証プライム。東京都千代田区)など5つの企業から計約2億円のワイロを受け取った受託収賄容疑で東京地検特捜部に起訴された大会組織委員会元理事で、広告大手「電通」元理事の高橋治之被告(79)――この高橋被告が海外富裕層のマネーロンダリングの手助けをしていた疑惑を本紙はキャッチしたので報じる。
その額、実に約330億円(2・6億ユーロ。当時のレート)の巨額。さらに興味深いのは、東京五輪汚職事件でも「みなし公務員」としての身分を隠す目的もあって、ワイロをもらう際にダミーの「受け皿」にしていたと見られる「コモンズ2」(東京都中央区)を利用していた事実。2021年12月のことだ。
ただし、このマネーロンダリングは未遂に終わったという。
依頼した側は、謝礼は送金額の1%でお願いした。
これに対し、高橋被告はもっと高い手数料(3%とも)を要求したという。(横写真=「読売」22年10月20日記事より)
約330億円の3%なら実に10億円。高過ぎるとして、送金側は断ったためだ。
詳細は後述するが、ところが関係者によれば、キャンセルされることを察した高橋被告は送金を急かし、キャンセル前にその約330億円はわが国の某銀行に送金され、コモンズ2にこそ渡らなかったものの、返金されるまでに実に丸1年間近くを要したという。
10億円といえば、今回の汚職事件の約2億円の実に5倍。
しかも、本当に事実だとすれば明らかな犯罪行為。
当時、いろんな人脈、政治力を持っていた高橋被告はその立場を悪用し、金儲けに邁進していたのでは。今回、犯罪に問われているのはそのなかのごく一部であると思われる。
そんな状況のなか、未遂といえど、この疑惑を報じることは意味があると思う。

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