アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(943)「IRジャパン元代表取締役副社長・栗尾被告初公判+仕手情報など」

 まず、アクセスジャーナル本編の方で、逮捕時は詳しく報じていたが、初公判には触れてないし、重要な内容なので報じておく。
それは「アイ・アールジャパンホールディングス」(以下、IRジャパン略。6035。東証プライム。東京都千代田区)元代表取締役副社長・栗尾拓滋被告(冒頭写真。57)のIRジャパン株巡る金融商品取引法違反(取引推奨)の初公判の件。
8月23日に東京地裁であり、栗尾被告は起訴内容を認めた。結果、検察側は懲役1年6月を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求め1回で結審。判決は10月5日。
「取引推奨」は、2014年の改正で盛り込まれた。インサイダー情報を得れる者が儲けたり、損失を出さないために売買した場合だけでなく、インサイダー情報を得れる者が、具体的な内容を伝えずに、知人や親族に株取引を勧めた場合の犯罪。21年当時の「ドンキホーテホールディングス」(現「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」元社長のケースもあった。ただ、この規制は勧めた側だけが罪に問われ、今回、売り抜けて損失を回避(総額2000万円以上。21年3月期決算予想の売上高が当初予想を下回り株価下落、その前に推奨され売り抜け)した女性2人(ホステスと一般女性。共に愛人とも)はお咎めなし。株式市場の公正さを期すなら、勧められた側も規制対象にすべきだろう。
なお、IRジャパンは議決権争奪戦戦略立案も事業としており、「東京機械製作所」も頼っていたが、同社株買い占めをしていた「アジア開発キャピタル」(上場廃止に)に栗尾被告が買い占め指南の営業をしていた事実も発覚。今回の容疑含めあり得ない行為で、今後は表舞台には立てないだろう。
ところで、株式情報はしてなかったが、社会的大問題を引き起こした中古車販売大手「ビックモーター」(東京都港区)に関連した話題も。
筆者は日曜にFMを聞くことが多いが、ビッグモーターのCMはひじょうに多かった。ラジオといえどもスポットCM20秒で最低3万円。各FM局に1日20回流すだけでも相当な料金だろう。今回のビッグモーターの不祥事で、FM各局は大口広告主を失うことになるだろう。なお、FMでは交通情報が必ず流れるが、これはラジオ局のニュースではなく、やはりCM料が月に最低でも150万円はかかっている。高速道など道路会社がFM局を支えているのだ。
さらにいえば、ラジオ日経では、なぜこんな奴がというのが番組を持っているが、これは出演者が番組枠を買っているから。具体名は伏せるが、大手を首になり、運用でも1億円のトラブルを起こした者でも投資について解説しているのはもはやギャグといってもいい。マスコミの倫理観は売上第一だから仕方ないか。
さて、株式市場では、「海帆」(3133。東証グロース。名古屋市中村区)の内紛? が公になり、短期投資家の間で話題になっている。

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