2019年4月の大阪市議選挙で、選挙カー運動員の手配を頼んだ仲介者に報酬を支払ったなどとして、公職選挙法違反(買収)で当時、維新の市議だった不破忠幸氏(右下写真。大阪市中央区選挙区)らが逮捕されたことをご記憶だろうか。
選挙戦で有権者に車中から訴える選挙カー運動員は極めて重要だが、優秀な人材は少ないという。そんななか、人材派遣会社などに社会通念上妥当な額で手配を頼むのは認められるようだ。しかし、不破氏は仲介男性に現金75万6000円支払い、手配役の女性には内72万円が支払われていた(女性は内18万円受領か。残りは選挙カー運動員の飲食接待費など)ことから、不破氏は懲役1年、執行猶予5年の有罪となり市議を失職している。
この事件で、罰金刑ながらやはり有罪に問われたのが、不破氏から現金75万6000円を受け取り手配役女性に内72万円を渡していた、当時は「山田印刷」(大阪市天王寺区)代表で、選挙コンサルタントを名乗っていた山田浩史だった。大手マスコミ報道によれば、不破氏は1回目当選の2015年市議選で、山田氏に看板製作などを頼んでいたという。
本紙が得た情報によれば、事件当時は一切報じられていないようだが、そもそもこの不破元市議と山田氏を繋いだのは維新の井上英孝衆議院議員(冒頭写真。当選4回。大阪一区)という。
同じ維新所属というだけでなく、井上衆議院議員の選挙区(大阪1区)に、不破氏の選挙区だった中央区は含まれる。
井上衆議院議員といえば、本紙では21年10月、「『維新』候補者の差別発言等でPTSDーー大阪地検に侮辱罪などで告訴」とのタイトル記事を見てもらえればおわかりのように、その内容は、議員以前に人としてどうかと疑問に思わざるを得ない御仁(本紙YouTube版も参照のこと)。しかもその後、『週刊文春』でも過去に同じような内容で報じられていたことわかり紹介している。
その井上衆議院議員、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との接点もあると見られるなど、数々の疑惑が出ているが、その一つが、自分が大阪1区の衆議院議員という優越的な地位を利用し、選挙時期が来ると、1区(生野区・阿倍野区・東住吉区・平野区)傘下の市議などに、選挙ポスター制作を前出・山田氏のところでやるように強要していたというもの。