アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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安倍元首相の死去に伴う衆院山口4区補選――昭恵夫人が後継指名した吉田氏、当選するも信任は得られず

報告が遅くなったが、安倍晋三元首相の死去に伴い実施された、衆院山口4区補選の結果について報じる。
統一地方選の後半戦と並行して行われ、実質、安倍昭恵夫人が後継指名した吉田真次前下関市議(自民公認。公明推薦)と、前参議院議員でジャーナリストの有田芳生氏(立憲公認)との一騎打ちだった。
有田氏は、ジャーナリストとして旧統一協会問題に詳しく、下関市を協会の「聖地」にしてはいけないと、安倍元首相と協会との懇意さにも触れ訴えた。その協会側から選挙直前、有田氏に関する女性スキャンダルが聞こえて来たのは長年の天敵関係故か。
有田氏、手ごたえを口にしていたものの、23日午後8時の開票作業開始と同時にNHKは吉田氏に「当確」を出し、ダブルスコアで勝利した。

吉田真次 自民  5万1961票
有田芳生 立民  2万5595票
大野頼子 無所属   2381票
渡部亜衣 政治家女子 1186票
竹本秀之、無所属    734票

これだけ見れば、吉田氏の大勝利といえるだろう。
だが、地元の吉田氏後援会関係者はこう見る。
「全然ダメだ。吉田陣営としては、今回選挙で8万票を、安倍さんの後継者としての“信任”のラインと位置づけていた。
安倍さんの生前の最後の衆院選の得票が同じ約8万。安倍さんはそれまで10万票は取っていてこれが最低数。安倍さん亡き後、当然、これまで安倍さんに投票していて行かなくなる人もいるだろうが、安倍さんの最低8万票もいかないのでは後継者として信任を得たとはいえない。ところが、それを3万票近くも下回っているんだから」
投票率が前回より約14%も下がって約35%。その分、票数が減るのは当然といえるが、この地元後援会関係者は、後継者の信任を得るためにはそんなことは関係ないと言い切る。本当に吉田氏を後継者と有権者が望むなら、逆に無理しても投票に足を運ぶと見るからだ。(横写真=マイクを握るのは、横滑りで吉田氏の後援会会長を務めた「安倍晋三後援会・伊藤昭男会長」。伊藤氏後方は昭恵夫人)
「選挙期間中、ずっと昭恵夫人は吉田氏の選挙カーの後ろに別の車で帯同し、吉田氏を頼みますとやっていたんですよ」(同)
また、選挙選初日には萩生田光一政調会長も。選挙中には茂木敏充幹事長、麻生太郎副首相、稲田朋美元防衛大臣(桜井よし子氏も)なども応援入りして、それでこれではとてもダメという。
その“信任”の意味だが、これは林芳正外相との関係を抜きには考えられない。

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