アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<主張>「桜」の安倍前首相公設秘書、私設秘書で復職の意味

安倍晋三前首相の公設第1秘書だった配川博之氏といえば、東京地検特捜部が「桜を見る会」前夜祭を巡り、政治資金規正法違反(不記載)で略式起訴し、昨年12月24日、100万円の罰金刑に問われた御仁。安倍前首相は同24日、配川氏は公設秘書を辞職したことを明らかにしていた。
ところが、先のGW中、以前からの情報元から、配川氏は肩書こそ私設秘書に変わったものの、以前と変わらず、安倍氏の地元・山口県下関市の事務所で働いているとの情報提供があった。
それで記事を書く上で関連情報がないかとネット検索して見ると、すでに「赤旗」日曜版(4月4日号)が、そのことを報じていることがわかった。
冒頭に掲げた写真は、その赤旗が3月29日午前10時ごろ、ファイルを小脇に抱えた配川氏が安倍事務所に入るところを撮ったもの。
赤旗は「責任取り辞職はウソ」の見出しを付けていた。
執行猶予刑なら執行猶予期間が明けるまでさすがに復職させられないが、罰金刑だったので罰金を納付したらそれで公設秘書は我々の税金で賄われるが、私設秘書なら復職させて何が問題? との見方もあるかも知れないが、大いに問題だ。
 まず、罰金刑もリッパな有罪であり、いわゆる「前科」が付いたわけだ。その前科が消えるのは、「罰金の刑の執行を終わり、罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したとき」なのだ。だから、例えば医師になるとする者が、罰金刑でもその罪名などによっては医師免許を与えられないことさえあるのだ。罰金を払ったから済む話ではないのだ。
さらに、配川氏が今回の罰金刑に問われたのは、「桜を見る会」前夜祭の夕食代計約3022万円について後援会の収支報告書に記載しなかったからだ。それも、配川氏は「記載すべきだったが、自分の判断で書かなかった」と特捜部の調べに供述している。
その結果、安倍前首相まで不起訴(嫌疑不十分)になったものの、同じく特捜部の調べを受け、この疑惑が大きく報じられたのはご存じの通り。だとすれば、安倍前首相は配川秘書が独断で記載しなかったためにとんでもなく大きなダメ―ジを受けたはず。それなら、「ベテランのやり手で、代われる者がいない」(地元事情通)との理由だけで安倍前首相が雇い続けるわけがない。「実際は共謀していたが、口を割らなかったので使い続けている」と見る方が自然だろう。
つまり、復職させている=安倍前首相もやはり共謀していたと思われても仕方ないのではないか。
何しろ、昨年末に罰金刑が出た後も、今年3月には検察審査会で「不起訴不当」の議決が出、特捜部は再度、配川氏につき捜査をしているのだ。また安倍氏自身も今年2月、「不起訴は不当」として検察審査会に申立てされている。
配川氏がいつ、私設秘書として正式に復職したかは不明ながら、冒頭写真が撮られた3月29日といえば、特捜部が再捜査していた時期。結果は、4月27日、特捜部は再度、嫌疑不十分で不起訴にしたわけだが、繰り返すが、配川氏が独断で不記載にしたのが本当ならそんな捜査中の多大な迷惑をかけた者を雇うわけがないだろう。
 このように、安倍前首相は「桜」の件だけでも限りなく黒に近い「灰色」だが、そんな者が、役者不足で、冗談でなくポスト菅として再々登板説がまたここに来て出ている(上右写真)のだから世も末だ。
ところで、最近も菅首相がいつ解散するか、次期衆議院選挙の時期がいろいろいわれているが、安倍前首相の選挙区、山口4区から、プロレスラーの竹村克司(かつし。横写真。48)氏が「れいわ新選組」公認で出ることになっている。
5月5日午後2時、下関市の駅前に山本太郎代表がゲリラ的に現れ、竹村氏の応援演説を行った(以下に写真掲載)。

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