「アクセスジャーナル」本編でも、新型コロナ治療薬開発、それにあの「猫組長」絡みで取り上げていたバイオベンチャー「テラ」(2191。JQ。東京都新宿区。冒頭写真は株価チャート)だが、いよいよ本当に化けの皮が剥がれて来たようだ。
テラは10月28日、約36億円もの第3者割当増資の募集につきIR。その引受手は、新型コロナ治療新薬開発で業務提携を結んでいる「セネジェニックス・ジャパン」(CENEGENICS JAPAN。東京都千代田区)だった。
そもそも、その引受資金の内10億円がセネジェニックスが先に購入した社債の未償還元本と相殺で、残りの約26億円全額が他社からの借り入れということ自体、胡散臭かったが、案の定というべきか、払い込み期日前に、期日を延期したり、資金を貸す側が今ごろになって「新型コロナ治療薬は虚偽ではないか?」と疑うなどドタバタし、変更のIRを連発し迷走した挙句、結局、12月17日のIRによればセネが振り込んだのは100万円だけというのだから呆れる他ない。
このIRでは、全額払い込まれなかった違約金として10億円もらえるかのような記載もあるが、投資家は勘違いしないでいただきたい。これから述べる事実や、これまでの経緯、全額借金で賄うとしていた点などからも10億円は踏み倒されると見るべきだ。
ところで、この引受先企業のセネ代表だった藤森徹也氏(阪大医学部卒。厚労省OB。セネの50%株主)が12月2日付けで代表も取締役も辞任。さらに同日、取締役だった竹森郁氏(=横写真。同25%)も取締役辞任。そしてもう一人の取締役だった高林良男氏(25%株主)が代表に就任した。
また、先の竹森氏は12月4日付でテラに入社。ところが、それからわずか3日後の7日付で合意退職している。
これは何を意味するのだろうか?
ご承知のように、テラは今年6月、有価証券報告書の不記載で課徴金2億2385万円の納付命令を受け8月に全額納付。そして、適時開示につき「改善報告書」提出を命じられた期限の12月15日までに出したものの、不十分として来年1月7日を期限に再提出を求められている。