アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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第一生命19億円詐取だけじゃない。問われる保険・保険代理店会社の責任――柏木被告らを詐欺被害者が提訴

 第一生命保険のベテラン女性元営業社員が、実在しない「特別枠」で高金利が得られると架空資産運用を持ち掛け、02年から今年にかけ総額19億円以上を不正に集めていた詐欺話が大きく報道されている。事件化は必至だが、いくら超ベテランだったとはいえ、19億円も集められ、長年発覚しなかったのは保険業務従事ということで社会的信用が高かったからだろう。
そこで思い出していただきたいのが、本紙既報の保険営業マンだった柏木達哉被告(下右写真。38)のことだ。
柏木被告は詐欺で3度逮捕され、それと共に被害額も大きくなり、実際の被害は数十億円はあるとも見られている。
 柏木被告は保険代理店の営業マンで、第一生命のケースのように社員ではない。だが、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持ち、資産運用の相談に乗るから「資産状況を全部教えて」が口癖。そして資産がある顧客を長年に渡り騙していた。当然、被害者のなかには契約した保険会社に文句、疑義を呈する者もいたが、保険会社は優秀な営業マンということで黙殺していたことが被害を大きくした点は第一生命と同じ。したがって、保険会社の責任も大きいと思うのだが、繰り返すが、柏木被告は社員ではないので責任を逃れている。
だが、今年4月、被害者3名が共同で柏木被告らに約8200万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴していたことがわかった。そして、その被告のなかには複数の保険代理店も含まれていた。
保険会社は「保険契約は適法。それ以外の投資は会社とは無関係」と逃げられるなか、保険代理店とはいえ、共同被告となっている件は画期的といえるだろう。
そこで、その訴状や被害者原告の証言などから、改めて柏木被告の巧妙かつ悪質な手口、彼の背後には巨大な詐欺ネットワークがあること、そしてどういう根拠で保険代理店も共同被告としたのか見てみたい。

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