本紙では5月7日、紡績糸メーカー「北日本紡績」(3409。東証2部、石川県白山市)に、以前から仕手筋として有名な「和円商事」(本多敏行社長。東京都中央区)が、あの篠原猛氏(冒頭写真)と組んで経営権を握った模様と報じた。さらに5月11日には、この「和円・篠原」仕手連合、石油卸事業「ダイヤ通商」(7462。JQ。東京都豊島区)に注力中と見られると追加報道した。
こうしたなか、さらなる先として「五洋インテックス」(7519。JQ。愛知県小牧市)にも触手を伸ばしていることが判明した。
その五洋インテックスは4月17日、第三者割当増資の資金払い込みが完了したとのIRを出した。
この全額引受をしたのは「HDD SINGAPORE PTE.LTD.」(本社・シンガポール)なる会社。引受額は約1億円と少額も、この結果、同社は7・07%の筆頭株主になった。
実はこの資金を出したのは和円商事で、それを指南したのは前出・篠原氏というのだ。
そこで、この第三割当増資の「お知らせ」のIRをよく見てみると、こんな記述が。
「『シナジージェネレーションズ』を介して、HDDをご紹介いただきました。
また、シナジーの仲西社長とHDDの代表KUANG XIAOMING氏とは、2018年10月頃に共通の知人である和円商事の本多氏より紹介され……」(一部要約)
事情通が解説する。
「和円の本多社長は、五洋インテックスの梅野拓実社長と仲がいい。中国繋がりということもありまして。
ただ、引き続きさらに増資引受をするかどうかは未定。というのは、梅野社長は本多氏でお願いしたいのですが、別の者が別ルートで他の者に声をかけているんです。4月に本多氏が約1億円入れたのは、大きい金額の第三者割当をするまでのつなぎ資金といわれ、これまで五洋関係者にかなりのカネを貸しているのでともかく出さざるを得なかったと聞いています」
では、「別の者が別ルートで他の者に声をかけている」とは、具体的には誰を指すのか。