緊急事態宣言の出た翌4月9日から民放6局が1時間に1本のペース(アルタ前など都内9カ所の街頭ビジョンでも)で流していた、「東京都知事の小池百合子です」で始まる、東京都が作成した新型コロナウイルス対策用のTVCM――(冒頭写真)。
一部マスコミが都税9億円も使って、小池氏は7月5月投開票の都知事再選のための前宣伝をやっているのではないかと噛みついたが、その指摘の通りだろう。
都はこうした批判に、関係法令に抵触しないし、放送局側から小池氏が出演しないCM要請などないと答えていた。
だが、コロナ関連の小池氏のこの出演CMは4月18日までで打ち切られ、以降は、人気ユーチューバーのヒカキンな4人が呼びかけるバージョンに変更された。この18日は、都知事選の公示(6月18日)の2カ月前。民放連の放送基準で禁止されている「選挙事前運動」のリミットがまさにこの2カ月前なのだ。
『週刊文春』も、このコロナ関連TVCMを出す際、小池氏自身の出演が条件となっていたというが、本紙も広告代理店筋から同じことを聞いており、小池氏がこうした批判を受けたのは無理もない。
あれだけ自民党と対立していたのに、東京五輪の1年延期が3月24日に決まるや、27日には対立する都議会自民党が3年ぶりに都の20年度予算に賛成。世界保健機関が新型コロナをパンデミックスと認定した翌3月12日、小池氏は首相官邸で安倍首相と会い、新型コロナ対策を名目に手打ちした結果だった。
「安倍は自分の首相任期中に何としても五輪をやりたい。小池は小池で五輪が中止になれば今年7月に知事選で不利になるし、1年だけの延期なら来年の都議選で、小池与党の『都民ファ―ストの会』はオリンピックムードの中で戦える。そもそもコロナ騒動がたった1年で終わるわけがない。
延期なら2年後が常識。これ1つ見ても、安倍も小池も国民の命より、自分の保身のためであることは明らか」(永田町筋)
しかも、小池氏の計算高いところは、自民党と手打ちしながら、否、だからこそ一転、今度は突如、「ロックダウンすべき」と言い出したことだという。