現在、発売中の『週刊新潮』は巻頭で、「『コロナ』光と影」という10頁の大特集をしている。
そのなかに「『日の丸ワクチン・薬』が世界80億人を救う」とのタイトルの1頁ほどの記事がある(冒頭写真)。
そこでは「イベルメクチン」という薬と共に、「アンジェス」(4563。マザーズ。大阪府茨木市)と阪大の森下竜一教授が開発を進める予防ワクチンが、新型コロナに効くのではないかとの記事が出ているのだが、こちらのワクチン、本紙としては疑問視せざるを得ない。
まずは、本紙が4月9日に報じた「『アンジェス』、新型コロナウイルス予防ワクチン開発のきな臭さ」というタイトル記事に目を通していただきたい。
ここでも述べているように、このマザーズ上場企業、「継続前提に重要事象」で経営が“危ない”ところだが、3月5日、この予防ワクチン開発をぶち上げたことですでに株価は4倍以上になっている。
問題は、そのIR前にすでにその件が漏れていたインサイダー疑惑。
さらに森下教授は、あの「加計問題」の舞台になった国家戦略特区会議の前段の具体的な規制改革を検討する規制改革推進会議委員を務め、加計問題浮上の際に国会でも取り上げられた加計理事長、安倍首相、萩生田光一文科相が安倍首相の別荘でビールを飲みながら歓談していた写真(上右写真)、その際、この3人らと近くのゴルフ場でのコンペに参加している仲である事実。
また、世間を騒がせたノバル社の降圧剤「ディオバン」のデータ不正、それを調べる第3者委員会の委員になりながら、委員就任直後にノバル社から1300万円の寄付を受けているまさに疑惑の人物なのだ。
ところが、この新潮記事ではこうした事実がまったく伏せられ、「日の丸ワクチン」?