国際協力銀行(JBIC)は、いまや日本政府100%出資の特殊銀行。政府と一体の関係にあり、業務運営は政府から独立しているが、わが国で唯一の国際金融に特化した政策金融機関で、わが国の対外経済政策・エネルギー安全保障政策を担っている。
かつては、本紙では以前何度も指摘したように不良債権の山を作り、解体論が出、実際に日本政策金融公庫傘下になりかろうじてJBICの名を止めていた。しかし12年4月に株式会社として完全独立、「官製国際投資ファンド」として復活した格好だ。
そして、このJBICの総裁に昨年6月から就いているのが前田匡史氏(61)。
この前田総裁に関しては、本紙では菅直人政権時代に取り上げたことがあるし、最近では、安倍昭恵首相夫人が名誉会長を務めるNPO法人理事長の反社疑惑の絡みで触れたこともある。
東大法学部卒、東大助手を経て1982年に前身の輸銀に入行。
政府系金融機関トップといえば、財務省など天下り役人の指定席が相場のところ、稀に見るプロパーだ。
そんな総裁と聞くと、何ともお堅いイメージを持つと思うが、ここに来て、その前田氏があろうことか反社会勢力にも繋がるような複数の人物と、それも仕事絡みでつきあっているとの俄かには信じ難い情報が本紙に入って来た。
まさかと思うのは無理もない。しかし、JBICは財投マネーなどを元手に世界のプロジェクトにわが国の威信を賭けて巨額資金を投じるいまや「安倍ファンド」といってもいい存在。そのトップが本当に黒い人脈に犯されているとしたら、それは安倍内閣をも直撃し得る大スキャンダルではないか。
しかも、その疑惑の一部はすでに報じられている。