「国際協力銀行(JBIC)」(=冒頭左写真。東京都千代田区。国際協力銀行経営責任者・渡辺博史=右写真。元財務官)といえば、かつては政府系独立金融機関の一つだったが、小泉内閣で槍玉に上がり、08年10月、従来の国際金融業務は新設された「日本政策金融公庫」の国際部門に、そして円借款部門は国際協力機構(JICA)に吸収された。
もっとも、それも無理はない。
本紙既報のように、その融資財源は我々国民の郵便貯金や簡易保険などを原資にした財政投融資であることからお役所体質でいい加減に使い、結果、全融資の約4分の1が不良債権という事態になったことも。8つあった政府系金融機関のなかでも、廃止になった住宅金融公庫に次いで不良債権が多かったのだ。
しかも、国際貢献などといいながら、無駄なところに投資したり、わが国の大手企業とつるんでみたり、財務省を始めとする役人の天下り先になるなど、まさにやりたい放題だったのだ。
もっとも、それでも、日本政策金融公庫の国際部門になるにおいて、しぶとくJBICの名を残し、同公庫の傘下独立組織となっている。
そのJBICが、ここに来て、再び独立するのでは、との観測が関係者の一部で出ている。
その根拠は、菅直人首相が副総理兼財務相だった今年3月17日の衆院財務委員会で答弁した際、「余りにも違う機能を無理矢理一緒にしたことの弊害が出ている。将来的に分離させるのも、一つの検討課題だ」旨、JBICについて語ったことのようだ。
なぜ、菅首相はそんな発言をしたのか!?
そこで出て来るのが、実質、こちらの方が首相では、ともいわれる仙谷由人官房長官(上写真)とJBIC側との関係なのだ。